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教科書に載っている文学の「こう読むんですよ」という説明、いったい誰が決めたのか、不思議じゃなかったですか? この本では、夏目漱石の『こころ』を、文学研究者はこう読んだ、という実例を、3回の講義形式でわかりやすく示してくれています。 その読み方は「《先生》はほとんど視線恐怖症だった」「《K》の自殺の要因は、失恋でも、《先生》の裏切りによるものでもない」「《青年》は後年子どもを持つが、その母親は《先生》の妻だった女性の可能性もある」など、時にびっくりするほど過激です。 なぜそのような「読み方」をするのかについて、著者は前書きで次のように述べています。 「それは僕が、文学研究者は小説のテストパイロットのようなもので、小説の可能性を限界まで引き出すのが仕事の一つだと思っているからです。」 国語はもちろん、歴史や数学などの教科書も、こうして何人もが出した、限界ぎりぎりの過激な「読み方」をつきあわせ、検討して、できるだけわかりやすいように書かれているのだと思うと、教科書の見方もちょっと変わってきませんか?
〈みすず書房〉は、分厚くて高くて難解な専門書をたくさん出してきた出版社ですが、この《理想の教室》シリーズは、高校生向けの入門書として、最新の文学研究を、初めてソフトカバーの装丁をとり、コンパクトに、お手ごろ価格で、やさしく「授業」してくれています。 シリーズには『『銀河鉄道の夜』しあわせさがし』『ポップミュージックで社会学』など、おもしろそうなタイトルが続きます。ぜひ手に取って見てください。
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教科書に載っている文学の「こう読むんですよ」という説明、いったい誰が決めたのか、不思議じゃなかったですか?
この本では、夏目漱石の『こころ』を、文学研究者はこう読んだ、という実例を、3回の講義形式でわかりやすく示してくれています。
その読み方は「《先生》はほとんど視線恐怖症だった」「《K》の自殺の要因は、失恋でも、《先生》の裏切りによるものでもない」「《青年》は後年子どもを持つが、その母親は《先生》の妻だった女性の可能性もある」など、時にびっくりするほど過激です。
なぜそのような「読み方」をするのかについて、著者は前書きで次のように述べています。
「それは僕が、文学研究者は小説のテストパイロットのようなもので、小説の可能性を限界まで引き出すのが仕事の一つだと思っているからです。」
国語はもちろん、歴史や数学などの教科書も、こうして何人もが出した、限界ぎりぎりの過激な「読み方」をつきあわせ、検討して、できるだけわかりやすいように書かれているのだと思うと、教科書の見方もちょっと変わってきませんか?
〈みすず書房〉は、分厚くて高くて難解な専門書をたくさん出してきた出版社ですが、この《理想の教室》シリーズは、高校生向けの入門書として、最新の文学研究を、初めてソフトカバーの装丁をとり、コンパクトに、お手ごろ価格で、やさしく「授業」してくれています。
シリーズには『『銀河鉄道の夜』しあわせさがし』『ポップミュージックで社会学』など、おもしろそうなタイトルが続きます。ぜひ手に取って見てください。