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ここにまた一冊、虫に熱いまなざしを送る本がある。 とはいっても、その情熱のありようはファーブル先生とはちょっと違っている。 とにかく「食べたい」のだ。
『虫を食べる文化誌』は、昆虫学者の著者が世界における昆虫の食用利用と商用利用(おもに釣り餌として)の実態を丹念にフィールドワークした労作である。 食物としての昆虫文化は食材豊富なアジアを中心に広がっており、日本ではハチ・ハチノコ・イナゴ・カイコ食が有名だが、その他にもコオロギ・タガメ・セミ・ガ・アリ・クモ・サソリが世界の食卓には上がっているのだ。 昆虫は繁殖率が高く、群れを成した場合は捕獲も容易で、蛋白源に優れた食材であり、昆虫食には未利用資源としての大きな可能性があることを著者は示唆している。 現在、昆虫食に嫌悪感をもつ人は多いだろう。しかし昆虫がおぞましいから食べないのではなく、食べないからおぞましく感じるのだ。 何を「食べるに適した」ものとするのかは、すぐれて文化の問題となる。蝉のから揚げの「おぞましさ」とやらは、魚の頭つき生肉……日本人にはふつう「お造り」と呼ばれているもの……とさほど代わらないことを理解しなくてはならないだろう。
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ここにまた一冊、虫に熱いまなざしを送る本がある。
とはいっても、その情熱のありようはファーブル先生とはちょっと違っている。
とにかく「食べたい」のだ。
『虫を食べる文化誌』は、昆虫学者の著者が世界における昆虫の食用利用と商用利用(おもに釣り餌として)の実態を丹念にフィールドワークした労作である。
食物としての昆虫文化は食材豊富なアジアを中心に広がっており、日本ではハチ・ハチノコ・イナゴ・カイコ食が有名だが、その他にもコオロギ・タガメ・セミ・ガ・アリ・クモ・サソリが世界の食卓には上がっているのだ。
昆虫は繁殖率が高く、群れを成した場合は捕獲も容易で、蛋白源に優れた食材であり、昆虫食には未利用資源としての大きな可能性があることを著者は示唆している。
現在、昆虫食に嫌悪感をもつ人は多いだろう。しかし昆虫がおぞましいから食べないのではなく、食べないからおぞましく感じるのだ。
何を「食べるに適した」ものとするのかは、すぐれて文化の問題となる。蝉のから揚げの「おぞましさ」とやらは、魚の頭つき生肉……日本人にはふつう「お造り」と呼ばれているもの……とさほど代わらないことを理解しなくてはならないだろう。