おすすめの本

駅そば読本
鈴木 弘毅
交通新聞社

鉄道がますます流行りだ。
関口知宏はJR20000km全線走破に続いて、ドイツ・スイス・イギリス・スペイン・ギリシア・トルコの鉄道を完乗し、中国大陸踏破を試みているし、JR・私鉄併せて9843全駅下車をなしとげた横見浩彦の実録旅案内まんが『鉄子の旅』(菊池直恵、小学館、全6巻)はアニメ化された。
鉄道の本は出版件数が伸びつづけているし、「テツ」青年の恋を描いたドラマ『特急田中3号』には「鉄道好き」を公言する女性アイドルまでも出演していた。
「テツ」はもはや、一部のディープなマニアの占有物ではないのかもしれない。

そんな「テツ」ブームの一因は、その間口の広さにあるのだろう。
ローカル線の車窓風景に物思いする実年も、全線完乗を目指す青年も、周遊切符で駅弁めぐりの女子大生も、新型車両を望遠レンズで狙う高校生も、さよなら運転の汽笛に涙する老人、記念切符の列に並ぶおじさん、SLを追いかけ手を振る子どもたち、病床で時刻表を精読して旅に思いを馳せる人や、車で駅舎や廃線跡を訪ねて回る人たちだって、みんな立派に「テツ」なのだ。
そんな「テツ」の広さを再確認できるのが、本書『駅そば読本』と『ダルマ駅へ行こう!』だ。

だれしも一度くらいは利用しているはずの「駅蕎麦」。
『駅そば読本』は旅好きの著者が、そんな駅構内の蕎麦屋を巡り尽くしたレポートだ。
心に残った店舗やサービス、名物メニューの紹介のほかに、汁や麺、丼や席や割り箸に至るまで、著者の「駅蕎麦愛」溢れる考察が詰まっている。

Copyright(C) Iwakura high school library, All Rights Reserved.