おすすめの本

『爆笑問題のニッポンの教養』1~4
爆笑問題(ほか)
講談社

学問とは何だろうか。
たいがいの人は学問のことをぼんやりと、人里はなれた赤門や象牙の塔の向こうにひっそり静かに棲息しているモノと思い込んで、自分と学問とを別世界のモノと見ているのでなかろうか。

本シリーズは、知性派漫才で知られる爆笑問題の太田光・田中雄二と、そうした「学問」のトップランナー、いわゆる「学者」さんが対談する番組「爆問学問」(NHK総合)の書籍化である。
爆笑問題の2人は学者さんが最も実力を発揮するホームグラウンドである「研究室」に出張って、その「学問」の精髄をこれでもかこれでもかと引き出そうとする。

イモリの細胞から生命の懊悩を探る発生生命学に、東大駒場キャンパスの片隅のプレハブで出会い。
ショールームのような芸術人類学研究所で、人間のこころという秘境へのアースダイブを試み。
社会心理学実験室では、「社会を形成してしまう動物」である人間の不思議をカメラアイと個室実験で体験し。
そんな生命や人類の活動のあまりにもあたりまえの基礎、惑星系の起源に迫る惑星科学を、ジャズの流れるがらんとした研究室で語る。

そこでは爆笑問題は単なる聞き手ではない。
スペシャリストの「学問」を相手取り、それを自分たちの興味の領域にひきつけ、のみこみ、組み替えて、再びスペシャリストたちに投げ返す。「学問」の最も純粋にして最も重要ないとなみが、そこにある。
「学問」は、目の前の対象(人だったりモノだったりコトだったりコトバだったりする)に敬意を払い、その上で相手を理解しようと努め、そうしてみずからのコトバやコトやモノにして世界に向けて打ち出していく、もっとも人間的なコミュニケーションなのである。
決して、どこかの誰かがやってる自分とは関係のない、つまらないいとなみではないのだ。

爆笑問題との対話を終えた「学者さん」は、皆一様に「おもしろかった」「刺激を受けた」と言っている。
スペシャリストとスペシャリストは惹かれあい、分かり合うものなのだろう。
本シリーズは8巻までの続巻が予定されている。以降のリリースも、注目して待ちたい。

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