No.15 「夏休みを終えて」2019/9/10
【校長からの発信】
No.15 「夏休みを終えて」
2019年9月10日 校長 浅井 千英
夏休みも補講や勉強合宿、部活動など先生や友人たちと過ごす時間が結構多かったと思います。秋を迎えて3年生は進路選択について最後の追い込みの時期です。また、岩倉祭を迎えるための準備に忙しいことと思います。1・2年生はそれらの活動を通して人間力の向上に心掛けて下さい――習得した知識と技能を再確認・強化して、論理的思考力(物事を筋道を立ててわかりやすく分析、思考する力:logical thinking)・批判的思考力(物事に対して批判的精神を持って客観的に分析、思考する力:critical thinking)・創造的思考力(新しくて有意義な着想を生み出す思考力:creative thinking)を常に意識すると良いでしょう。
高校時代から進学、就職をしてからしばらくの間、いわゆる青年期は、様々な人々に出会うことになります。それらの人々は、以降の人生においてとても大切な人脈の基礎となります。以前にも述べたと思いますが、現在ある職業の約60%がなくなり新しい形態の職業が出現するであろうと言われています。これからの変化の激しい時代を生き抜いていくためには、この時期に築いた人脈は財産となります
日本の現在の労働生産性(労働に対して、どのくらいのものを生み出せたかを測る指標)の低さは世界的に問題となっています。日本の個人消費の伸び悩みもここにあると言われています。この問題の解消のためには組織や勤務体系の再検討はもちろんのこと、薄利多売ではなく付加価値の高いサービス・商品を供給し利益率を向上させることで個人の所得水準を上げて購買力を強化することが必要です。
私たちの個人の所得水準を上げるためには、スタートアップスといわれる新規事業家を育成する必要があります。さらにスタートアップスからユニコーンと呼ばれる評価額10億ドル以上の企業に育てていくことも重要です。
今後のスタートアップスが展開できるエリアはInternetを利用したソフト関連の会社でユニコーンに成長できるチャンスが高いようです。この分野に日本が注力してその存在感を増していかないとグローバルエコノミーで活躍することは難しいと予想されます。いずれにしても顧客密着型のオープン型サービス(誰でも利用できるサービス)で常に市場ニーズを先取りして付加価値を高め続け、他社の追従を許さないようなサービスが生き残るでしょう。
高校生である君たちが、将来変化した社会で活躍するためには、今いる友人、これから出会う人々との人脈が、大きな助けになることでしょう。