No.27「一般教養」2020/11/4
【校長からの発信】
No.27「一般教養」
2020年11月4日 校長 浅井 千英
高等学校で学ぶことは基礎科目、専門科目ともに一般教養を身につけるための基礎となります。大学では一般教養科目と称される授業を受けますが、そもそも一般教養とは各自が生きるために必要な知識であり、これは各自が人生を通して独力で身につけるべきものです。一般教養抜きでは専門知識を極めることは難しい、それほど一般教養は重要なものであり、生涯を通して努力し続けるべきものです。知識の基盤と裾野を固めることは人間として、また職業人としての安定性を高め、その伸び代を大きく伸ばすことになります。
では一般教養を身につけ、高めていくにはどのようにすれば良いでしょうか?広範囲に好奇心が高く、自分を信じて主体的に行動でき、社交的で受容力があり、かつクールで慎重であること、読書や旅行が好きで、感じたこと、理解したことをできれば手書きでノートに記すこと、特に歴史について読書で学ぶことは将来の社会の発展を予想することに役立ちます。また、身近な事象に興味を持って自ら調べることも重要です。例えばテレビのクイズ番組の答えについて独自に深く調べることなども知識の幅を広げることに役立ちます。一つの出来事の原因、そしてその影響には多種多様なものがあることを理解することはとても大切なことです。このような生き方を持続できれば教養を高め、自己肯定感を持って、生活することができます。現状に満足せず、挑戦することも怠らないことです。
前回Society5.0、DX(data transformation)時代の到来について触れましたが、これにより新たなビジネスモデルが誕生しています。この変化を前向きに捉えるためにも教養は必要不可欠です。Internetなどを介して膨大なデータのやり取りが行われるようになり、利便性は著しく改善されている一方、データの持つ価値やリスクを忘れがちです。データ盗用・不正利用などに備えて防衛することが重要です。いわゆるセキュリティの問題で、最近ではパスワードに加えて二重認証を要求するサイトも増えています。しかし、セキュリティ突破を試みて成功するハッカーも着実に増え、ハッキングのレベルも向上しています。セキュリティとハッキングの競争は将来も間違いなく続きます。将来、量子コンピューターが導入されると演算速度が爆発的に高くなり、結果として全く新たなセキュリティシステムが導入されることになるでしょう。
今後予想される変化の激しい社会を生き抜いていくためには一般教養を磨き、その上で最新の社会動向を見極め、リカレント教育(生涯教育)を心掛けてください。いろいろな教養講座がTeamsやZoomで配信されるようになってきています。
今は世界的なコロナ感染症の流行中ですが、折を見て海外留学など外国に長期滞在することで、現代の多様性を体験することも視野を広げることに役立ちます。