No.29「SDGs、コロナ感染症、働き方改革」2021/1/7
【校長からの発信】
No.29「SDGs、コロナ感染症、働き方改革」
2021年1月7日 校長 浅井 千英
生物はその生存のため、エネルギーを消費します。エネルギーは高いところから低いところへ移動し、地球上のエネルギーの一部は宇宙空間に放出されます。太陽から放出されたエネルギーの極一部分を地球は受け取りますが、宇宙を飛び交っている宇宙線の大部分は大気圏で吸収され地表に届くことはありません。もし全ての宇宙線が地表に届いていたら生物は生存できません。ただし、一部の宇宙線は地上まで届いたり、ニュートリノのように地球を突き抜けてゆくものもあります。私たちがエネルギーを消費するとエントロピが増大します。エントロピとは乱雑さを表します。産業革命以降、人口は急増し、近年人類によるエネルギー消費は鰻登りとなり、止まるところを知りません。世界の人口が増え、色々活動すると結果として、エントロピは増大し続け、乱雑さは加速されます。その典型が地球温暖化、熱帯雨林の消滅、人類よりずっと昔から地上に存在するウィルスの活性化などです。このままでは地球上のエネルギーは将来枯渇してしまうでしょう。
このような状況に歯止めをかけるため、国連は人類共通の目標としてSDGsを策定し、全人類に協力を求めています。
人類は太古からウィルスや細菌と戦いつつ共存してきました。天然痘、麻疹、マラリア、コレラ、ペスト、結核、小児麻痺、等々。克服したはずの感染症が少しだけ変化して再現することも度々あったことを歴史は示しています。今後ともこの共存と戦いは続いていくことになります。現在、新型コロナウィルス感染症は世界的なパンデミックを引き起こしています。日本はかなり深刻な状況となっています。反面、これは私たちの働き方、生活、組織・システムのあり方を見直す絶好のチャンスです。ディジタル技術の飛躍的な発展により従来の枠組みや、時間・空間の制約に囚われることなく、新たな生活の仕方、仕事の仕方を創出することができます。
12月の終業式でも少し触れましたが、Digital Citizenshipについてもう少し詳しく説明いたします。Citizenshipとは市民として果たすべき義務と権利・行動規範といった意味です。
Computer Networkの発展でBig Dataに基づいてAI(Artificial Intelligence)が利用可能なものになりつつあります。これは私たちにとって重要な手段になります。私たちのこれからの生活はこれ抜きには考えられなくなると予想されます。私たちの生活はComputer Network利用が必須になります。このような時代に生きるための行動規範Digital Citizenshipの理解が必要となります。
多くの先進国では学齢期に達するまで(幼稚園に入るまで)は親が子供に対してDigital Citizenshipの教育(Internetの使い方を教える)を行い、その後は高等学校に至るまで学校がDigital Citizenshipの教育を担っています。これによりInternetに対する向き合い方、スマホの使い方、SNSの利用について徹底的に教育され、間違うことなく使いこなせるようになっています。ここで重要なことは「なになにをしてはいけない」ではなく「何ができるか」という視点で教育されることが重要です。
Digital Citizenship―Internet Societyの行動規範
3S Framework:3個の原則
- Safety:自分自身を含めネットに繋がる人々の安全を守る配慮
- Savvy:正しい判断をするための知恵と実践的知識
- Social:他者を理解し、相互の協調的・相互信頼的関係の構築
9 Elements:9個の要素
- Digital Rights and Responsibility ネット上の権利と責任
- Digital Security and Privacy ネット上の安全とプライバシーに対する配慮
- Digital Health and Welfare ネット使用の限度と健康上の配慮
- Digital Communication and Collaboration ネット上の情報交換と共有
- Digital Fluency ネットを使いこなし、偽情報に惑わされない力
- Digital Commerce ネットショッピングの安全性を確保
- Digital Etiquette ネット上でルールを守り、他者に配慮
- Digital Access 誰でもネット上のリソースを利用できること
- Digital Law ネット上のルールを守り、セクハラやいじめを防ぐ
以上、Digital Citizenshipをよく調べ、Internetを正しく、積極的に使いこなせるよう努力し続けてください。