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No.9「有り難いこと」
2021/6/14

【校長からの発信】
No.9「有り難いこと」


2021年6月14日 校長 森田 勉


 

 先週の金曜日、『校長通信№8』を配信した直後に、法政大学経営大学院教授の小川孔輔先生からラインで動画を送っていただきました。「ありがとう」という表題で時間にして3分余りの動画でした。すでにSNS上で拡散しているかもしれませんので、ご覧になった人もいるでしょう。内容は、「『あたりまえ』の反対は『有り難い』」から始まり、「あたりまえだと思っていることが実はそうではないんだ」ということに気づかされる構成でした。とくに私の心の琴線に触れたところは、

誰しも 今日と同じ日が明日も繰り返されると思う

今日 誰かと出逢い、話し、笑い、食事をして 仕事ができる

こんな当たり前だと思うことが 本当は奇跡の連続なのだ

「有ること難し」

生きて、出逢う という奇跡の連続に

「ありがとう」を言わずにいられない

の部分でした。

 私は、いつも、行事が終了したり、学期が終ったりする節目のときにいう言葉があります。「学校を震撼させるような大きな事件や事故もなく、無事に終了することができたことをまずは皆さんとともに喜びたいと思います」と。無事に終わることが当たり前だと思うのではなく、それは心から本当に有り難いことだと感謝の気持ちでいっぱいになるからです。

 昨日の未明、サッカーのヨーロッパ選手権(ユーロ2021)の予選リーグ、デンマークvs.フィンランドの試合をテレビで見ていたときのことです。前半40分過ぎ、デンマークのエースであるエリクセン選手が相手陣内左コーナー付近で突然倒れる様子が映りました。接触もなかったので、何か異様な感じの倒れ方でした。選手たちも、レフェリーも気づき、異常事態が発生したことに観客も騒然としました。急いでメディカルスタッフが駆け付けたときは、エリクソン選手の目は焦点を失い、気を失っている様子が見てとれました。すぐに心臓マッサージが施されました。エリクソン選手の周りを取り囲んでいる味方の選手たちの悲痛な表情や心配そうにそちらに視線を送るサポーターをカメラがとらえていました。実況のアナウンサーも言葉を失う状況となりました。この実況を目の当たりにした私もしばらくショックで動けませんでした。

幸いなことに、心肺蘇生が功を奏し、病院に搬送される途中でエリクセン選手は意識が戻ったということでした。本当に良かったです。

 普通に試合が終わって、その試合結果に一喜一憂しているのが常です。しかし、このような事態が起こり得るということを考えれば、無事に試合が終わることは当たり前ではないんだとあらためて実感したのです。無事に終わるということは、そこに関わるすべての人たちの協力があって成し得ることなんだと、そして本当に有り難いことなんだと思わずにはいられませんでした。

 今日一日も良い日でありますように。

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