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No.24 月にも歳がある?
2022/2/17

【校長からの発信】
No.24  月にも歳がある?


2022年2月17日 校長 森田 勉

 

 今日は満月です。月を見て癒されるのは私だけではないと思います。この月がどのようにして誕生したのかは長い間、謎でした。諸説ありますが、最近の研究では、いわゆる“ジャイアントインパクト説”というものが有力とされています。地球が誕生してまだ間もない頃に、火星と同じぐらいの大きさの原始惑星が衝突してできたと言われています。それ以来、46億年ものあいだ、月は地球のパートナーとして、そこにあるわけです。

みなさんは、「もし月がなかったら」ということを想像したことがあるでしょうか? 私たち人類は、それこそ物心ついたときから月は空を見上げれば見られるものでしたから、そういうことを考えたことはないかもしれません。でも、もしなかったら、大変なことになっていたようです。自転が安定しなくなり、気候が不安定になり、強風が吹き荒れたり、大津波が押し寄せたりと、安心して生物が棲むのが難しくなるということです。詳しく知りたい方は、まさにこの題名『もしも月がなかったら』(ニール・F・カミンズ/著 竹内 均/監修 増田まもる/訳)という本もありますから参考にしてみてください。

私が考えるに、もし月がなかったら、人類の好奇心を刺激する大きなものを失っていただろうと思っています。つまり、「どうして月が欠けるのだろうか」とか、「どうしたら月に行けるだろうか」とか、そうした人間が科学や技術を極めていくための大切な動機というものを持てなかった、あるいは持ちにくかったのではないかなと想像しています。みなさんはどう思いますか?

 

 ところで、今回は、この月の満ち欠けに関して話をしておきましょう。月の満ち欠けの目安をあらわす数値を「月齢(げつれい)」と呼んでいます。朝刊の地域面に毎朝かならず「明日の暦」が載っています。そこにも月齢の数字を見ることができます。ちなみに昨日の朝刊に今日の月齢は「15.9(正午)」と示されていました。

 下の図を見てみましょう。「月齢0」のときが新月を示しています。この新月とは、地球から見て月が見える方向と太陽が見える方向とが重なるので、月全体が太陽光線を背後から(私たちから見ればまともに)受けていますので、地球からは月が見えません。その次の日は「月齢1」、そのまた次の日は「月齢2」というふうに、1日ごとに「1」ずつ増えていきます。地球から見て180°離れた瞬間、つまり反対側に来たときが満月ということになります。そして、月が太陽より東側に90°来たときが上弦の月(半月)であり、月が太陽より西側に90°来たときが下弦の月(逆向きの半月)になります。

 月は、平均29.5日の周期で、新月→上弦の月→満月→下弦の月 というように満ち欠けを繰り返します。それぞれの期間はほぼ等間隔なので、月齢0が新月だから、月齢7前後で上弦の月、月齢15前後で満月、月齢22前後で下弦の月、そして月齢29.5前後でまた新月に戻ります。

 月齢に少数がつく理由は、24時間を「1」とカウントしているからです。つまり、今月の新月が2月1日の15時でしたので、今日17日のお昼の12時に、新月からちょうど15日と21/24日≒0.9が過ぎたことになりますので、新聞に載る正午の月齢が15.9と表わされるというわけです。いかがでしょうか。わかっていただければ幸いです。

 まあ、細かいことはともかく、満月をご覧になって癒されるのが一番いいと思います。

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