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No.7 雑感(今月のニュースから)
2022/6/17

【校長からの発信】
No.7 雑感(今月のニュースから)


2022年6月17日 校長 森田 勉

 

  民家の庭先には紫陽花が元気よく咲いています。私の子どもの頃に比べて、紫陽花の種類が増えているのではないかと思います。梅雨空はうっとうしいものですが、紫陽花の花に癒される感じです。
 さて今回は、ここのところ目に留まったニュースについての雑感を徒然なるままに書いてみます。

〇6月10日に外国人の観光入国再開が決まりました。コロナ感染者数(PCR陽性者数)はだいぶ減ってきて落ち着きを取り戻してきています。それでも、都内感染者数は1,500人前後で下げ止まり傾向です。本校はご承知の通り上野に位置しています。外国からのお客さんがたくさん来るロケーションにあります。今回の外国人の観光ツアーは、旅行業者が付き添い、マスク着用にも気を使うということですが、どこまで徹底されるのか一抹の不安を感じています。とくに会食時、アルコールが入ると気が大きくなるのはどこの国の人でも同じでしょう。経済の活性化を考えれば今回の決定は致し方がないところですが、引き続き感染防止には努めていきたいところです。

〇部活動の地域移行への提言がスポーツ庁より出されました。今回は中学校を対象としていますが、早晩このことは高等学校にも及ぶ話だと思っています。事の始まりの一つは、運動部顧問教師の過重労働問題です。みなさんも想像がつくと思いますが、教師は教科指導やHR指導、そしてそのための準備があります。そのほかにもいろいろな担当を担っているケースもあり、かなりの時間がそれに割かれます。その上で部活動の指導も加わるとなると、時間がいくらあっても足りないという状況になるわけです。とくに生徒たち(部員たち)の「もっと上手くなりたい、強くなりたい」という意欲要求が高じてくれば、練習日や試合日が増えてきます。まじめな教師ほどそうした生徒たちの熱意にこたえようとしますから、過重労働に陥りやすいのです。そこで、運動部顧問の仕事を外部指導員に代わってもらおうという動き、すなわち「地域移行へ」ということになります。しかし、とくに岩倉高校のような私立学校では、地域に移行することは簡単ではありません。そして、一番大きな問題は、運動部の大会方式にあると思います。大会を勝ち抜いてチャンピオンを目指す、ということであれば、そこに向けての取り組みはどうしても過熱気味になるからです。そうしたことが改善されないと、学校の中だけで部活動の顧問のあり方を考えることは非常に難しいと言わざるを得ません。運動部のみなさんは、今の大会方式がなくなり、どこかの学校との対抗戦や交流試合だけで満足できるでしょうか。そうしたことと無関係ではない問題です。部活動は、そもそも生徒たちの自主的な活動というところに意味があります。ぜひ、生徒のみなさんにもこの問題に対して当事者意識を持って考えてもらいたいなと思っています。

〇最後は少し夢のある話です。はやぶさ2が小惑星のリュウグウから持ち帰った石や砂粒の中からアミノ酸をはじめとする有機物や7%もの水分が発見されたというニュースです。これは、生命のもととなる物質が、宇宙には結構存在することを意味しています。私の興味は、これら生命の材料となる物質が宇宙からもたらされ、地球という環境でどのように生命が誕生したのだろうか、ということです。最近、地球外生命体を探す話題が増えてきています。1995年に太陽系の外ではじめて惑星(系外惑星という)が発見されましたが、現在ではすでに4,000個から5,000個発見されていると言われています。その中には地球と同じような環境の惑星があることも確かなようです。そこには生命が生まれているのではないか? と期待している学者もいます。また、太陽系でも土星や木星の衛生にも生命が生まれてもおかしくない環境があるとのことです。「地球で生まれた生命だから宇宙のどこで生まれてもおかしくない」という考え方からすれば、これらの話はずいぶんと期待が持てる話です。しかし、一方で、この地球でさえ、過去に非生命から生命が誕生したのは一度きりのことですから、「こんな奇跡的なことはどこでも起きることではない」という考え方も説得力のある話です。みなさんは、非生命から生命が誕生するシナリオをどのように考えますか。たまには、空を見ながら、こうしたことに思いを馳せるのも悪くはないと思います。梅雨のうっとうしさを晴らすのにも良いと思います。

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