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No.13 読書の薦め
2022/11/18

【校長からの発信】
No.13 読書の薦め


2022年11月18日 校長 森田 勉

 

 明後日(11月20日)からカタールでサッカーワールドカップが開幕します。ワクワクしているのはサッカー好きの私だけではないと思います。日本とカタールとは時差がありますので、テレビ中継も開始時間が夜遅くになる日もありそうです。睡眠時間が不規則になりがちですから、生徒のみなさんには学習を中心とした基本的生活習慣の維持を心がけ、体調管理に十分に注意してほしいと思います。

 ところで話は変わりますが、先月10月27日(木)より「全国秋の読書週間」が開催されていました。本校では2年生の修学旅行や1年生と3年生の学年行事と重なる関係で、ややずれた形で、11/14(月)~11/25(金)の約2週間で実施しています。つまり、まさに現在その只中にいることになります。私の読書量は、平均すると2週間に1冊程度です。これが多いのか少ないのかははっきりしませんが、自分なりの読書観を通して読書を薦めておきたいと思います。

 まず、第一に、読了したときの爽やかな達成感が好きです。その達成感が、前向きな意欲や勇気につながります。この感覚を多くの生徒のみなさんにも経験してほしいと思います。

 次に感じることは、読書は、ときには師となり、心の友となり、最愛の人にもなるという感覚を持てることです。自分の心の目を開かせてくれたり、難解な問題の解決のヒントをくれたり、落ち込んでいるときに励ましてくれたり、勇気をくれたりするからです。

 また、約20年来心がけていることを披露しておきましょう。それは、感動したことや我が意を得たり、ということをメモにして、USBなどのメモリーに保存しておくことです。高校生のころに味わった感覚はなかなか忘れませんが、最近は脳細胞が許してくれません(苦笑)。時々それを引き出して、確認する必要があります。

 「読書」に関しては、明治大学の斉藤孝先生がその著書を通じて多くのメッセージを残しています。先生の「子供に伝えたい<三つの力>」(NHKブックス)を読んで、私が残したメモは4つあります。

○ 読書が自分の存在を豊かにしてくれるものであることにみなが気づくようになる。本を読む習慣を身につけることによって、出会うことのできる世界は格段に広がる。

○ 本を読む読まないは自由ではない。サッカー選手が走るトレーニングをするように、相撲取りが四股を踏むように、読書は知的活動の土台を作るものだから、本を読む習慣をつけることはどうしても必要なんだ。

○ 読書は、単純な情報摂取以上の意義を持っている。それは、他者の思考に長時間寄り添う訓練をするということである。

○ 深いコミュニケーションや自分とは異なる文化を持つものとのコミュニケーションにおいては、読書が大きなトレーニング効果を発揮する。

 まさに「我が意を得たり」という感じです。そういえば、この「我が意を得たり」という言葉も、学生時代に読んだ尾崎士郎の『人生劇場』の主人公、青成瓢吉が使っていた言葉であることを思い出しました。言葉にはパワーがあります。だから、本を読んでビビっときたらその言葉を自分だけの名言としてストックしてみてはいかがですか。意外なところで自分を助けてくれると思います。ぜひ試してみてください。

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