No.21 世界褒め言葉の日2023/3/4
【校長からの発信】
No.21 世界褒め言葉の日
2023年3月4日 校長 森田 勉
今朝テレビから「世界褒め言葉の日」という話が聞こえてきました。初めて聞いた言葉でしたが、出勤のための身支度をしながらだったので、しっかり見ないまま、その言葉だけが耳に残りました。あとでネットで調べてみたら、フランスやドイツでは3月1日がその日で、身近な人を思う存分褒めたたえることができるとのことです。日本では、1月14日が「褒め言葉カードの日」と制定されているそうです。理由は、褒め言葉の1つである「い1い1よ4」と読む語呂合わせによるとのことです。
誰でも褒められて悪い気はしません。最近では、スポーツの指導においても「褒めて育てる」ことが主流のようです。少し古い話になりますが、2018年6月に「子どもが輝く 褒め達の魔法 ~あなたの周りにはダイヤの原石がいっぱい!~」という内容の勉強会に参加したことがあります。いくつか印象に残ったことを紹介しておきます。
- 正しいことをそのまま伝えても相手の心に響かない。
人はミスを犯すものです。そのときに「そうではない。それは間違いだ」とついつい指摘しがちになります。しかし、その指摘は確かに正しくても、相手の心が折れてしまっては、“ミスをしないようにしよう”と萎縮し、かえってミスを誘発してしまうものです。そういうときには、わかりきっていることでもいいから頑張っているところやできているところを褒めると、その人は気持ちよくなって、さらに自分の守備範囲を超えて積極的にいろいろとチャレンジしようとするものです。具体的に認めて褒めてアドバイスすると人は変わるものです。
- 「褒めずに褒める」
一番幸せにしてあげたい人の話をどのような態度や姿勢で聞いてあげるかが大事です。相手が話しかけているのに、その人の気分を害するような仕草をしていないでしょうか。会話の主導権は受け手が持っています。褒め言葉をかけられなくても、作業中の手を止めて、目を見ながらうなずくだけでも、話し手の気分はよくなるものです。
- 褒めるは人のためならず
いつも難しい顔をして叱ってばかりいると、叱られている人もそうですが、叱っている方も気分が暗くなっていくものです。その周りもあまりよい気持ちにはなりません。相手を褒めると、自分の心が整えられて、自分も元気になり、自分の周りも元気になるものです。
思えば、私も成長段階で機会あるごとに「褒められて」成長できたことが多かったと思います。私は、高校時代、サッカー選手でゴールキーパーでした。試合中に大きなミスをして、自信を失いかけていました。立ち直りと大きな飛躍のきっかけになったのは、チームメートの一言でした。試合中にシュートを防いだときに、「ナイスキーパー」という一言が、私に再び勇気と自信とやる気を引き出してくれました。それは、厳しいコーチの叱咤激励よりも何倍もの「ありがたい」言葉だったのです。
古くから言い伝えられている山本五十六の「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、褒めてやらねば、人は動かじ」という言葉は人材育成の名言です。私も頭ではわかっているはずですが、家庭や職場で実践できているかというと反省すべき点が多いと思います。人の行いに対して、その価値を発見して伝え、そして、そのことが誰のどんな役に立っているかをしっかりと伝えていけように心していきたいと思います。