No.2 始業式 校長式辞2023/4/10
【校長からの発信】
No.2 始業式 校長式辞
2023年4月10日 校長 森田 勉
2年生、3年生のみなさん、おはようございます。本日ここに令和5年度(2023年度)の1学期始業式を迎えました。
いよいよ新鮮で希望に溢れる新年度を迎えることになりました。これまではコロナパンデミックの影響を受けて制約多い学校生活でしたが、いよいよマスク着用も任意となり開放的な気分も加わるので、みなさんもいろいろと抱負を抱き、青春を謳歌すべく決意を新たにしていることと思います。
2年生は、慣れてきた高校生活に慢心せず、さらに自己を高める努力を続けてほしいと思います。また、3年生には、いよいよ、進路を決定するという最後の大きな関門が待ち受けています。責任をもって進路選択を定めていきましょう。そして新しい学年がスタートしたと同時に、学校行事や生徒会活動、部活動などにおいても、みなさん一人ひとりがそれぞれの役割を担っていくことになります。当然のことながら、学年が上がることで、担うべき役割も変化していきます。岩倉スピリットにもあるように仲間とともに主体的に行動してください。
先月はWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)での侍ジャパンの優勝で日本中が大いに盛り上がりました。いまだにその関連ニュースが流れることがあるほどです。今回の優勝は過去2回の優勝に比べて、チームの団結力が優れていたと言われています。各選手が与えられた役割を責任をもってやり切った成果であるということです。チームが集団が成果をあげるには、一人ひとりが主体性を発揮してその役割を責任をもって担うことが大事であることを忘れないでください。
ところで昨日、入学式が行われ、437名の新入生を迎えることができました。2年生、3年生のみなさんには新しくたくさんの後輩ができたということになります。ぜひいろいろとサポートをしてあげて下さい。よろしくお願いします。新入生には、自分に秘めたものすごい潜在能力を引き出し高めるために、仲間とともに主体的に学ぶ、考える、創造する、そして行動する精神、すなわち岩倉スピリットを発揮し続けてほしいと伝えました。それと同時に学ぶ意味をとことん考えて学ぶ喜びを獲得してほしいとも訴えました。もちろんこれらこのことは、新入生だけでなく、2、3年生のみなさんにも言えることです。みなさんは、人間はなぜ学ぶのか、もう自分なりの答えを持つにいたりましたか? あるいはまた学ぶ喜びを獲得する実感を持てましたか?
広中平祐という有名な数学者がいます。この人は数学界のノーベル賞といわれる、フィールズ賞を受賞した人物としても知られています。この数学者が次のように言っています。「創造の喜びは、自分のなかに眠っていた、まったく気づかなかった才能や凄い能力を掘り当てる喜び、つまり、新たな自分を発見し、自分という人間をより深く理解する喜びである」ということです。この大数学者が言う、新たな自己発見の喜びが「学ぶ喜び」の真髄であります。ぜひ皆さんには、この高校時代に、この学ぶ喜びを体感してほしいのです。
今、人生100年時代を迎えていると言われています。今のみなさんの年齢は16歳から18歳です。十代は人生のうちの10分の一です。そしてみなさんに残された十代の時間はあと数年しかありません。まして高校時代となると残されている時間はさらに短くてあと1年間ないしは2年間のみです。長い人生からみるとほんの一瞬といえるほど短い時間です。しかし、この短い時間が非常にまた貴重で大切な時間でもあります。人はみな「高校時代の思い出をひきずって生きている」といわれます。私もご多分に漏れません。高校時代に学んだこと経験したことが、現在を生き抜く力の基盤になっています。みなさんは、これから10年20年先を見越して、今をしっかり生き抜いていると自信をもって言い切れますか? あるいはまた、自分の存在する意味や価値を実感できていますか?
そのためには、その日その瞬間をしっかりと目標設定してやり遂げていくことが必要です。残された高校生活のあらゆる場面で、1ページ、1ページとページを重ね、自分なりの分厚いキャリアノートまたはアルバムを増やしてください。
さあ、いよいよ新年度が始まりました。みなさんは、新たな目標設定を済ませましたか?
いつも言うことですが、これからの時代は、正解がない、あるいはそれを見つけにくい難題ばかりの中で生き抜いていくことが求められます。そうした時代では、自分の責任で生き抜いていくしなやかさが求められていきます。そのためにもこの残された高校時代に、しっかりと目標を持ち、それを日々やり遂げていくための努力を積み重ねていくことが大切です。努力は運を支配するとも言います。そうした強い心構えを持って新学期を突き進んでいきましょう。今年度がみなさんにとって実り多く、そして成長につながる年度となることを祈っています。
これをもって、新年度最初の始業式の式辞の結びとします。