No.12 教育実習生からの礼状2023/6/30
【校長からの発信】
No.12 教育実習生からの礼状
2023年6月30日 校長 森田 勉
毎年6月には、教育実習生が本校で実習を行います。思い返せば、私も遠い昔、もう45年以上前に実習を経験しています。この2週間は結構大変です。実習生はそのほとんどが現役の大学生ですから、日常の学生生活とは違い、授業準備をしつつ、学校での様々な教育活動を経験するので、かなり気を遣う期間であったろうと思います。実習開始のときは、どの学生も緊張感で硬い顔つきでしたが、2週間の実習を経た後では、生徒との触れ合いを中心に様々な経験ができ、充実感あふれる様子が見て取れました。労いの意を表しておきます。本当にお疲れ様でした。今回は、ある実習生から届いた礼状の一部を披露しておきます。
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お忙しい中、教育実習生として受け入れていただき、ありがとうございました。岩倉高等学校での教育実習では、森田校長先生をはじめ皆様に大変お世話になりました。
この度の実習で、学校ではさまざまな職員の方々が連携して、生徒の指導に当たっていることを知ることができ、とても勉強になりました。
また、わかりやすい授業を行うために、先生方が時間をかけて柱となる教材を研究されていることや、生徒のみならず、保護者の声に耳を傾け、気持ちに寄り添った対応を心がけていることを学びました。このような経験を通して、教師という仕事がどれほど大変な仕事かということを、どれほどやりがいのある仕事かということを、身をもって感じることができたことは、私にとって一生の宝になると思います。
15日間の教育実習を終えて大学に戻ってからは、教職課程の講義にいっそう励んでおります。今後、生徒に学ぶ楽しさや運動・スポーツの楽しさ、仲間の大切さを教えていくためにも、自分自身の人間性を育みたいと考えています。
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この学生にとっても、一定の手ごたえを感じることができた実習であったとことがうかがえます。私が実習をしたとき、実習校の教員に言われたことを今でも覚えています。「もしかすると生徒の中には、あなたより豊かな知識を持っている者がいるかもしれない。しかし、教育は単なる知識の伝達ではない。そのことをしっかりとこの実習期間に学ぶことができるように頑張ってほしい」と。当時は、まだその意味をしっかりとは飲み込めませんでした。人が人を導くことの大切さ、難しさ、そしてその喜びを経験できるのが教職の世界です。教職を目指すみなさんには、ぜひ、これからも自分を磨き、人としての多くの苦労や喜びを経験しつつ、立派な教師になってもらいたいと願っています。
最後に、教師を目指すみなさんにワンポイント・アドバイス。実はこれは私が毎年のように、実習生にアドバイスすることです。以下に紹介しておきます。それは、その日の授業の山場をどこにもっていくかということをしっかりと考えて準備する、ということです。毎回の授業の入りのときに、「今日の目標は、、、」と宣言して始めるのです。新任の頃は、毎回のように授業内容を予習して、そのたびに、「明日の授業の山場はどこに置こうか」と悩み、考えたものです。そこでは、分かりやすいように具体例を考えたり、解説に工夫を加えたり、そして声をより大きくして熱く語ったりと、どうしてもここだけはマスターしてほしいという願いを態度に示して授業展開したものです。これを繰り返しているうちに、生徒も集中しどころをつかめるようになってきます。そして、その実践の積み重ねが、その日の授業の目標をはっきりさせることの大切さに結びついたということです。生徒が授業に臨むにあたり、しっかりとした心構えを持てるという意味でもとても有効だと思いますので、特にこれから教師を目指すみなさんには参考にしてほしいと思っています。