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No.17 1学期終業式 校長式辞(骨子)
2023/7/20

【校長からの発信】
No.17   1学期終業式 校長式辞(骨子)


2023年7月20日 校長 森田 勉

 

 本日ここに2023年度(令和5年度)の1学期終業式を迎えました。6月末の体育祭後も大きな感染クラスターが起きることもなく今日を迎えられたことを嬉しく思っています。他校の例では、6月実施の文化祭や体育祭の後にインフルエンザやコロナ感染症がまん延して、学校閉鎖や学級閉鎖を余儀なくされた学校が何校か出ました。本校も体育祭前に何人かの罹患者が出ていたことを考えれば、混乱もなくここまで来られたのは、生徒のみなさんがマスク着用キャンペーンなどに積極的に協力してくれた成果だったと思います。つまり、これは見方を変えれば、学校行事や授業に対して、主体となるのは自分たちであるという、みなさんの強い自覚の表れであると見ることもできるわけです。この点、高く評価しています。今後とも健全な学校生活を主体者としての意識を強く持って臨むよう、みなさんの協力をよろしくお願いします。

 さて、今日は1学期の締めの日です。いつものように、今学期をしっかりと振り返って成長できた部分とまだまだ不足している部分をしっかりと整理して、できれば、自分のキャリアノートに記して、次へのステップアップを期してほしいと思います。

 昨日は、野球部が都立桜修館高校に10-0でコールド勝ちしました。明日はいよいよ帝京高校戦です。時間のある人は神宮球場で9時プレーボールですので応援に行きましょう。

 1学期中に世の中であった代表的な話題の一つに、チャットGPTをはじめとする対話型生成AIのことがありました。今月の7月4日付で文部科学省から、「生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」の通知がありました。TVや新聞でも取り上げられていたので知っている人も多いことと思います。それによると、生成AIには、個人情報の流出や著作権侵害、偽情報の拡散などのリスクがあり、思考力や学習意欲に与える影響への懸念について触れられ、その上で学校では「限定的な利用から始めることが適切」との見解が示されています。これを読んだ印象としては、慎重な姿勢がうかがえる内容だと感じました。これは、指針の対象が高校ばかりでなく小学校までを含むので、致し方ないことです。

 本校ではすでに6月1日付でHPに「利用ポリシー」を発信し、1.利用目的  2.正確性の確認、責任  3.プライバシー等の保護  4.啓発、共有  5.問題把握、対応 を明確にして主体的な活用を勧めています。すなわち、むしろ積極的に利用しつつ、学習の主体者は私たちであるという強い自覚を持っていくことをうたっているということになります。

 文科省の指針では、例えば基本的な考え方の一つとして次のように書かれています。「真偽のほどは別として手軽に回答を得られるデジタル時代であるからこそ、根本に立ち返り、学ぶことの意義についての理解を深める指導が必要になる」と。しかし、私たちはガイドラインでなくポリシーを発信しています。つまり、この「指導」の部分を「姿勢」と読み替えている、すなわち、学びは受け身でなく主体的なものであり、そこには自分の生き方に対する自覚や責任を持つことが求められているということです。

 学校教育の大切な目的の一つに「人格の形成つまり人間性を磨くこと」があります。AIはあくまで道具であり、万能ではありません。最終的には自分で考え、判断し行動していくという原則をこの高校時代に身につけておくことが最も大切なことです。私たちがこうしたAIのような高度な技術をうまく使いこなすためには、人格的に安定していること、つまり人間性が不可欠だということです。テクノロジーの影響力が増せば増すほど、そのテクノロジーをコントローするする人間性が求められていくことになります。

 それでは、その人格を磨き、人間性を高めるにはどうしたらよいでしょうか。そのためには、目標を設定して、それをやり遂げようとする強い思い・心構えと良い習慣が必要です。次のようなことわざがあります。

「思いや心の種を蒔き、行動を刈り取る。行動の種を蒔き、習慣を刈り取る。習慣の種を蒔き、人格を刈り取る。人格の種を蒔き、運命を刈り取る」つまり、強い心構えは習慣を変える。習慣が変われば人格も変わり、運命も変えていくということです。

 実は、これが本校の教育目標にもなっている主体的な生き方でもあるのです。それは自分の人生を、責任を持って生き抜いていくことでもあります。良い習慣はすべてを変えていきます。明日から42日間の長い休みに入ります。良い習慣を身につけるには最適の期間です。それは自らの意欲要求に基づいて目標を設定していくことができるからです。読書でもいい、旅でもいい、人との出会いでもいい、計画的な学習でもいい、クラブ活動に打ち込むことでもいい、そしてボランティア活動でもいいので、自らを鍛え上げることができる休みにしてほしいと願っています。そして一回りも二回りも成長してほしい。

 2学期に大きく成長したみなさんと再会できることを楽しみにして、本日終業式の式辞を結びとします。

『保護者の皆様へ』

 日頃より本校の教育に対しましてご理解とご協力を賜り、衷心より御礼申し上げます。どうもありがとうございます。

猛暑の毎日ですがいかがお過ごしでしょうか。コロナ感染症については10代の若者の罹患者が増えているとのことです。油断することなく、継続して手洗い・うがい等の予防策の徹底をご家庭でもよろしくお願いいたします。また、4年ぶりに規制が解かれた夏休みを迎えます。コロナ禍で過ごした期間が長かったために、そうした状況での生活リズムに慣れていません。熱中症にも十分にご注意いただき、発熱等で体調不良の際は、無理をさせないようにお願いいたします。

明日から夏休みに入ります。本日の終業式でも話しましたが、この休み期間中は、「良い習慣」を身につける絶好の機会でもあります。お子様たちが規則正しい生活を送り、好ましい習慣が身につくようお見守りください。あわせて、お子様とのコミュニケーションをはかる時間をつくっていただきますようご配慮の程よろしくお願い申し上げます。

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