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No.25 クライスト・ホスピタル校訪問
2023/10/20

【校長からの発信】
No.25 クライスト・ホスピタル校訪問


2023年10月20日 校長 森田 勉

 

 本校の名前にもなっている岩倉具視は、今から150年前に岩倉使節団を率いて欧米各国を訪問しました。使節団メンバーは50人のエリートたちと50人の学生たちでした。目的は、西洋文明のあらゆる側面(政治、軍事、産業、教育、交通、通信、文化、そしてレクリエーションまで)について学ぶことでした。合計12カ国の120もの都市を訪れたそうです。イギリスでの滞在は欧州では最大の4か月間でした。産業革命がもたらすものを理解し、日本が進むべき方向を見出し、日本にとって最も適切な政治モデルはイギリスだと判断したのです。つまり、当時の使節団メンバーたちは、明治維新を牽引したと言えるわけです。そうした訪問の中で、私たち岩倉高校では関連の論文等を調べて、イギリス滞在時に使節団がクライスト・ホスピタル校という学校を訪問していることを見つけ出しました。以下の写真は、使節団のクライスト・ホスピタル校訪問記事(The Times)の掲載部分です。

 クライスト・ホスピタル校は、病院のような名前ですが、1552年、時のイングランド王エドワード6世によって創設された、470年余の伝統校です。当時はロンドン市内に位置していましたが、現在はイギリス南部のウェストサセックス郊外に位置し、緑豊かで広大な敷地(東京ディズニーランドの2倍)を有しています。その全体像は、ハリーポッターの世界を呼び起こす感じです。オックスフォード大学やケンブリッジ大学といった有名大学への合格者や有名人も多数輩出している名門校です。特徴的なのが、歴史的にロンドンの孤児などを救済し教育するための学校としてスタートしたことから、現在でも慈善の精神と運営形式は受け継がれています。

 このような素晴らしい伝統を持つクライスト・ホスピタル校を岩倉具視が訪ねたご縁もあり、何らかの交流ができないかと考え、1年間ほどかけてコンタクトを図ってきました。その結果、直接訪問する機会を得て、先週の10月9日(月)に訪問してきました。訪問したのは、副教頭の吉澤教諭、将来構想検討委員会の曽根教諭、国際交流担当の友本理事、そして私の4人でした。

 150年前の歴史的出会いを持つ,クライスト・ホスピタル校と本校にしかできない,新しいユニークな文化交流を継続的に積み重ね,相互の文化の歴史理解を含め若者による新しい日英友好(国際交流)の形を提示してゆくことを目的として、交流機会を増やしていく提案を友本理事のプレゼンを中心にお話しさせていただきました。何ができるか、具体的なプログラムの構築は先になりますが、何らかの実のある交流を展開していきたいと考えています。以下に、訪問時の写真を掲載しておきます。

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