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No.36 変化に慣れる、変化を楽しむ
2024/2/24

【校長からの発信】
No.36 変化に慣れる、変化を楽しむ


2024年2月24日 校長 森田 勉

 

 三寒四温の季節とはいいますが、ここのところの気温変化はかなり極端なものです。週の前半には夏日となったところもあるというほど暖かい一日でしたが、一転して週末は冬に逆戻りの状況です。体調管理が大変ですが、みなさんはどうお過ごしでしょうか。十分に気をつけてほしいと思います。

 昨年夏の異常ともいえる高温気候といい、ここのところの暖冬といい、「地球がおかしくなっているのでは?」と思うのは私だけではないでしょう。20日(火)の日にオンラインで、「気候危機のリアル ~わたしたちには何ができる?~」というテーマの研修に参加しました。

 そこで学んだいくつかのキーワードを紹介しておきます。「世界の脱炭素化の転換(+適応)は、人類にとって、やらないと酷いことになるだけでなく、早くやった方が絶対にいい」

「そのために必要な資金も、技術の大部分も、人類は持っている」「今すぐ急激に舵を切らないと、実現不可能になってしまう」

 しかし、「現状の転換スピードはまったく足りていない」「インフラや社会システムが化石燃料依存のパターンから抜け出せていない」「調整に時間がかかるのでなかなか進まない」「社会全体の消費パターンやインフラが変わる必要がある」「しぶしぶ努力して達成できる目標ではない」

 それではどうするか? 社会の「大転換」=トランスフォーメーションが起きる必要があるというのです。社会の仕組みが変わり、人々の常識が変わらないと地球温暖化を防ぐことは困難であるといいます。「大転換」の事例として「(たばこの)分煙革命」があげられていました。確かに、数十年前は、電車や飛行機の中でも、飲食店内でも、道路上どこでも多くの人が喫煙していた光景が、今は見られません。見事に分煙文化が定着しています。「常識を変える」と聞くと、何やらとんでもないほど苦労するのではないか?と恐れおののく人が多いのですが、いざ変わろうと行動に移してみると案外心地よかったり、健康にもよかったりで、すぐに慣れてしまうのも私たち人間のいいところだと思います。地球温暖化防止でいえば、CO2を出さないことが当たり前になることにしてしまえばいいということです。

 いま、学校教育も変わろうとしています。先行き不透明な未来社会を生きに抜いていくみなさんに求められる能力として重要なものは、「失敗を恐れずに挑戦し、仲間と関わりながら問題を解決していく力」「新たな価値を創造していく力」といわれています。これらは「非認知能力」と呼ばれています。実社会で役立つためには、確かな基礎学力や基礎知識といった「認知能力」ばかりでなく、この非認知能力が欠かせません。そして、この能力を身につけていくうえで有効な学習が「探究学習」といわれています。

 2月21日(水)に「岩倉高校の探究学習」をテーマに教員研修を実施しました。モデレーターとして地歴公民科の酒井徹先生、理科の鈴木将司先生が担当し、

  • 導入(定義・用語解説)
  • 実践報告(理数探究・総合的な探究の時間)
  • 課外活動から見る探究の要素(PDCAからDCAPへ)
  • 今後の展望

の内容で行われ、最後に先月(1/17)の研修で講演をいただいた株式会社 EDUCATION design代表取締役の小野田一樹さんの講評で、終了しました。

 ワークあり、発表者の熱いプレゼンありで、楽しく学ぶ会となりました。いろいろなことが激しく変化していく未来社会で、生徒のみなさんはいつでも高いモチベーションと幸福感をもって学び続ける必要があります。そのためには、教師である私たちも楽しく学び続けていくことが求められているわけです。「変化を恐れる」というよりも「変化を受け止めて楽しんでいく」というスタンスで頑張っていきたいと考えています。

 それにしても、一度上がった気温が急激に下がると体にこたえるものですね。こちらの変化にはなかなか慣れませんね(苦笑)。

*モデレーター:研修会など意見を交換する際に、仲介者となり意見や考えを取りまとめる人物。司会者。

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