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No.3 連休前のトピックス(その1)
2024/5/7

【校長からの発信】
No.3 連休前のトピックス(その1)


2024年5月7日 校長 森田 勉

 

 生徒のみなさんは、新年度に入りどのように学校生活を送ったでしょうか? 新入生は適度な緊張感のもと高校生活に慣れるための一ヶ月であったと思います。上級生も新たな目標を設定してスタートした新学期ですが、ここまで順調に来ていますか? 「時々の初心忘るべからず」を心がけていきましょう。いずれにしても、すべてのみなさんが少しずつ自分の貴重な経験を積み重ねて、自分の中にしっかりと財産として蓄えて次へのステップアップにつなげてほしいと願っています。今回は、このGW前のトピックスを取り上げます。


★4月22日(月) 委員任命式(2、3年生)

 この日、各クラスの学級委員、風紀委員、美化委員、図書委員、そして保健委員の任命式が行われました。以下は、そのときの委員のみなさんへ私から送ったメッセージです。

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 みなさんこんにちは。本日ここに2,3年生の各委員任命式を迎えました。まずは大役を引き受けてくれたことに対する感謝と祝意の意を表しておきます。どうも有り難うございます。そしておめでとうございます。

 いつも言うことですが、つねに岩倉スピリット(仲間とともに主体的に学ぶ、考える、創造する、そして行動する精神)を発揮して頑張ってほしいと思っています。まさにみなさんは、このスピリットを実践するわけです。委員になったこと自体が一つの行動することの証ですから。

 昔のことわざに「随所に主となれば立つとことみな真なり」という言葉があります。少々難しい響きですが、簡単に言えば「何事に対しても前向きに主体的に臨めば、自分の成長につながるものがたくさん得られる」ということです。課題や目標を見つけ出すことが主体的に動くということです。一人で難しければ仲間と一緒にやってみる。それも楽しみながらやってみる。その積み重ねが大きな成長につながります。それをいやいやながら後ろ向きでやっていても何も得るものはないし、無駄に時間を浪費するだけです。コンヴィヴィアルに行きましょう。

 ところで、委員の仕事には主に二つあります。一つは、委員会で決まったことや約束事をクラスに落とし込むこと。もう一つは、(こちらのほうが難しい課題ですが)クラスの仲間たちの、向上したい、もっと良くしたいという有形無形の要求をくみ取ってそれを実現させることです。今年度から男子生徒の髪型が緩和されたのは、まさにそうした取り組みの成果です。こうしたことが実現すれば担当した個人も、学校全体の仲間たちも集団として大きく成長できるのです。

 このようにやりがいのある任務です。ぜひ一年間がんばってください。このエールを結びとして挨拶を終わります。以上です。


★4月27日(土) ウクライナ大使館講演会

 この日、「岩倉高校 Global Day」と称して、国際色の強い3つの企画が実施されました。

 1つ目は本校の留学プログラムの1つである「ショートプログラム」の募集説明会。2つ目は体育館にて行われた1年生の生徒・保護者対象の国内外修学旅行説明会。そして3つ目は、ウクライナ大使館の三等書記官であるインナ・イリナさんをゲストに迎えて実施した講演会です。

 現在世界的にも注目を集めるウクライナ大使館の方の講演会ということで、70名を超える生徒・保護者のみなさんが参加してくれました。ウクライナの文化、歴史、自然等、多岐にわたる紹介があり、みなさん興味津々の表情で聴き入っていました。いくつかキーワードをあげておきます。

  • ウクライナは1919年に独立。国旗の青は空を、黄は大地を染める小麦を表している。国章は「自由」を意味している。
  • コザックダンスはロシアの舞踊と思われることも多いが、ウクライナの代表的な伝統文化である。コザックとは、もともとウクライナを守っていた戦士であり、勇気の象徴。
  • 民族衣装(この日イリナさんも着用)の刺しゅうはお守りである。
  • 5月5日はイースター。ピサンキというイースターエッグの紹介。
  • イースターのときはウクライナの伝統的料理であるボルシチを楽しむ。2022年7月、ウクライナ侵攻によって消滅の危機に瀕しているとして、ユネスコがこのボルシチを無形文化遺産に緊急登録。
  • 日本と同様四季もあり、自然も豊かで、どこか日本の景色と似ている。宗教はキリスト教で、素敵な教会もたくさんある。
  • 海は、アゾフ海と黒海。2014年ロシアにより侵略された。戻したいと思っている。
  • キーウの街はとても素敵だったが、戦争で破壊されてしまった。

 このお話のとき、ミサイルが被弾したマンションや地下避難所の様子が映され、厳しい現実を知りました。またイリナさんの表情も変わり、「ウクライナは自分の国を守っているだけ。隣の国が来ていろいろ壊している。アパートに入り込み、貴重品を奪ったりしている。許せない」という言葉に、イリナさんの強い思いを感じ取ることができました。

  • 「ウクライナの鳥」はコウノトリ。春にウクライナに来て子育てをする。戦争で壊された家にも巣をつくっている(写真)。
  • 今年3月に帰国。3年ぶりに両親に会った。両親は危険だから帰ってくるなと言っている。空襲を知らせるアプリを携帯に入れているが、10日間の滞在中毎日何回も鳴っていた(今、日本にいても毎日10数回鳴るとのことです)。
  • まだまだ戦争は終わっていない。どうやったら終わるのか、、、? 日本からたくさんの励ましやサポートをいただいていて有り難い。距離にして1万キロも離れているのに、多岐にわたって寄付もしてくれている。
  • 日本には2,500人のウクライナ人が避難している。みんながコウノトリのように国に戻りたがっている。みなさん、ぜひ平和を守ってほしい。

 このあと質疑応答が行われました。最後の質問は「(ロシアとの関係で)戦う以外に何か解決方法はないか?」というものでした。イリナさんの返答は「我々にとって方法は一つしかない。ロシアが外に出て行って終わる。2014年以前に戻したい。最後まで頑張る」というものでした。イリナさんの言葉をみなさんが重く受け止めていたようです。

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