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No.12 第1学期 終業式 式辞
2024/7/20

【校長からの発信】
No.12   第1学期 終業式 式辞


2024年7月20日 校長 森田 勉

 みなさん、おはようございます。本日、令和6年度(2024年度)の1学期終業式を迎えました。今学期も楽しかったこと、苦しかったことなど、いろいろなことがありました。みなさん一人ひとりにとっても、多くのことを経験できた1学期であったことと思います。そして様々な思いをもって今日この日を迎えていることと思います。充実感や達成感をもつことができていたらさらに成長を期して、逆に反省すべきことがあったらそれを改善して、次のステップに力強く進んで行きましょう。いずれにしても、今日こうして、みなさんと一緒に顔を合せて終業式を迎えることができていることを素直に喜びたいと思います。

 こうしたことは、当たり前のように思えるかも知れませんが、実は有り難いことなのです。私たちの日常は、生きている世界は、国や地域によっては軍事的な紛争があったりいつ起こっても不思議ではない地震などの自然災害が起きたり、あるいは人為的な事故や不慮の事故など、あげればきりがないほどの危険や厳しい状況にさらされています。だからこそ、平穏で平和な今日のような日常があることは、大げさに言えば奇跡に近いという意味で「有り難い」ことなのです。こうした日常において、いかに有意義に過ごすか、という心構えが私たちに求められているということになります。

 今学期を少し振り返っておきましょう。ちょうど一か月前の6月20日には、1学期最大の生徒会主催の学校行事である体育祭が行われました。とても感動的な体育祭となりましたので、みなさんもよく覚えていることと思います。そのときにも話をしましたが、当日のスローガンであった「新風」が(新しい風が)吹いたことを強く感じました。これはまさに、学校が3年後の創立130周年に向けて「未来進化型のコンヴィヴィアル・スクールを目指す」という方向と軌を一にするものと感じ、とても嬉しく、そして頼もしく思いました。精一杯頑張って競技に臨んでいる生徒たちと、観客席で応援する生徒たちが一体となって、会場全体が盛り上がる感動的な光景がそこに現れたのです。これぞコンヴィヴィアル(みんなでわいわいガヤガヤ楽しみながら共に成長する)という感じでした。そしてなおかつ清々しさが感じられたのです。

 そのことをもう一度しっかりと評価しておきたいと思います。おそらくその清々しさは、日常の学校生活の中でみなさんが培っているもの、醸し出しているものに違いないのです。それを3つの言葉で表現しました。「Decency(礼儀正しさ)」「Dignity(正々堂々としていて品格がある)」そして「Delightfulness(人を愉快にさせる)」です。これらは、とても大切だけれども最近の日本人が失った気質であると言われています。みなさんはそれらを持っているのです。これらも「岩倉スピリット」のひとつであると言ってもいい、伝統的に引き継がれている“DNA”であると言ってもいいと思います。そのことにみなさんは自信を持っていいのです。

 繰り返しになりますが、学校は3年後に創立130周年を迎えます。そこで、それを画期として、未来進化型のコンヴィヴィアル・スクールになることを目指しています。それはなぜかというと、現在の「仲間とともに主体的に学ぶ、考える、創造する、そして行動する」といった「岩倉スピリット」を実践していくと、行き着く先は、みんなで楽しみながら共に成長できる学校となるからです。「人は高校時代の思い出を引きずって生きている」と言います。「引きずっている」というと少々ネガティブなイメージになりますから、そこを「糧にして生きている」と言い換えてもいいと思います。「人生で最も輝ける時代は高校時代」なのです。

 実は、人が高校時代を輝かしいと思うことは、思い出として大切にしていることにとどまらず、高校時代に経験した数多くの経験を踏み台にして、その後の人生を豊かにしようと前向きに生きてきたことによって、高校時代の記憶としての過去の価値を高めているということなのです。今、この瞬間という現在は、過去の結果の集積であると同時に、未来の希望や期待への、そして創造への出発点であります。みなさんは、今、高校時代の真っただ中にいます。この高校時代を輝ける時代にするためにも、輝ける高校生になるためにも、今この瞬間からの未来をどう生きるかによって、その価値が決まるということです。つまり、「これから」が「今」を、そして「これまで」を決めるということです。だからこそ、しっかりと目標設定をして未来志向でチャレンジし続けていくことが大切なのです。

 明日からの43日間の夏休み、パリオリンピックも始まり、熱い戦いを楽しみにしている人も多いと思いますが、寝不足から体調を崩すことのないように気をつけて下さい。そして、輝ける高校生となるために、あるいは輝き続けるために、読書や学習など自己を高めるための挑戦をし続けてください。少しでも達成感を積み重ねて、成長した姿を2学期に見せてほしいと思います。以上で、1学期終業式挨拶を結びとします。

 

『保護者の皆様へ』

 日頃より本校の教育に対しましてご理解とご協力を賜り、衷心より御礼申し上げます。どうもありがとうございます。

 お子様たちは無限の可能性を持っています。そのことに気づいていないだけです。その可能性を引き出し高めるために、少しでも目標を設定し、それを達成していく積み重ねが大切であると思います。本日の終業式においても、そうしたメッセージを伝えました。

 明日から夏休みに入ります。お子様たちが輝ける高校生として成長し続けるため、お子様とのコミュニケーションをはかる時間をつくっていただきますようご配慮の程よろしくお願い申し上げます。あわせて、お子様たちが規則正しい生活を送り、好ましい学習習慣と「何かに挑戦していく力」が身につくようご指導をお願い致します。

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