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No.20 9/30~10/5授業見学
2024/10/7

【校長からの発信】
No.20    9/30~10/5授業見学


2024年10月7日 校長 森田 勉

 

 本校は3年後の2027年に創立130周年を迎えます。そして、それを契機に教育改革を推し進めていることは、すでにこの『校長発信』でも取り上げています。その改革の“本丸”とも言えるものが「授業改革」です。毎日の授業内容がどのくらい充実するか、つまりそこで、生徒のみなさんがいかに「学ぶ」ことを実践し、自らに秘められた様々な能力を引き出して高めていけるかということが、本当に大切なことだからです。私たち教師も他者の授業から学び自己の授業内容の改善につなげていくことが大事であると考え、9月30日(月)から10月5日(土)の間、数学の菅野先生、理科の竹内先生、社会の松本祐先生、そして理数の鈴木先生にご協力をいただき、その授業を見学することにしました。

 実際に見学してみると、それぞれの先生が、工夫を凝らしていることがよくわかりました。授業改革ということで、「授業形態は明治以来100年変わっていない」ということが、しばしば言われます。この言葉は、どちらかと言うと、「旧態依然とした(教師から一方通行的な)授業では、生徒の力を引き出すことができない」という批判的な意味でしばしば使われます。しかし、一方で、「100年の歴史の淘汰圧に耐えて生き残った授業形態」と見ることもできるわけです。私は、生徒のみなさんの意欲や興味関心に根差し、力を引き出していける授業であれば、教科科目の特性もありますから、いろいろな形態があってもいいと思っていますが、みなさんはどのように考えるでしょうか。

以下に4人の先生方の授業見学をした感想を簡単に記しておきます。

9/30 菅野先生 2I 数B 数学的帰納法

  • 伝統的な「教師主導知識伝達型」授業とは違い、好きな生徒同士がくっついて相談することも可能にしている。
  • 問題を相談しながら解く。適宜机間巡視で指導助言。声かけ。
  • 丁寧な解説。「Why?を共有してほしい」が印象的。
  • 「教える」から「学ぶ」授業への移行的な授業という印象。

10/3 松本先生 2C 日本史探究

  • 現代的な「生徒主体グループ参加相談型」授業。
  • グループ形式で4人一組向かい合わせ座席。
  • タブレットで各自調べながら相談も可。移動もあり。机間巡視で適宜指導助言。
  • チームで決めごと。テーマごとに発表する内容の打ち合わせ。
  • グループ内にて4人がそれぞれ別のテーマでの発表と解説。
  • 「眠くならなくてグループワークは良い」という生徒の感想あり。
  • 「学ぶ」授業という印象。

10/3 竹内先生 2C(6時間目) 物理基礎 力学的エネルギー保存と損失

  • 机の配置は、いわゆる伝統的な「知識伝達型」授業の形態。
  • 例題解法解説。解説は丁寧でわかりやすい。
  • 問題練習。できた者は前に出向いて教師と答え合わせ。解く時間が短かったせいか出ていく生徒は少数。
  • 試験範囲を終わらせるためもあり、この日は「教える」授業中心。

10/4 竹内先生 2M(1時間目) 物理基礎 力学的エネルギー保存と損失

  • 昨日の6時間目、普通科との違いがあり得るので同様の授業を見学。(あらためて生徒のみなさんは6時間の授業をこなすという大変さを実感)
  • 1時間目ということもあり、昨日に比べて、できた(と思われる)者が前に出ていく数は比較的多い。
  • 「相談可」だが、生徒の机の配置や構造がすぐに相談できる感じになっていない。隣同士あるいは近い者同士の相談が容易にできるような机を導入するなど、今後は検討が必要か。

10/5 鈴木先生 2B 理数探究 「水について」の探究テーマを決める

  • まさに「探究型」授業。グループ形式で4人一組向かい合わせ座席。
  • 大学生のメンターも加わる。
  • 「答えのない未知の領域に踏み込んでいく」ことを生徒と共有。
  • 「学ぶ」授業。教育目標の実践である。
  • 生徒同士のディスカッション中心でみんなが参加。

 いかがですか? 生徒のみなさんは、日々授業を受けていますが、どんな姿勢で授業に参加しているでしょうか。実は、授業の主体は教師でだけでなく生徒のみなさんも含まれます。自分たちが、自分たちに秘められて可能性に気づき、その力を引き出すために学ぼうとして意欲的に参加しているでしょうか。教師と生徒と協力してより良い授業を創造していってほしいと願っています。

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