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No.11 終業式式辞 ― 生成AI時代に、自分で考え、判断する力を ―
2026/7/18

【校長からの発信】
No.11   終業式式辞
    ― 生成AI時代に、自分で考え、判断する力を ―


2026年7月18日 校長 森田 勉


 みなさん、おはようございます。本日で、2026年度の1学期が終了します。4月の始業式・入学式から約3か月半、授業、クラブ活動、委員会活動、学校行事、そして日々の生活の中で、みなさん一人ひとりが、それぞれの場所で努力を重ねて成長してきました。特に今年度は、「ともに進み、ともに育つ」というテーマを掲げています。各自しっかりとふり返って、その成長を自分に定着させて、次への一歩としてください。

 一人で頑張るだけではなく、仲間と関わりながら、自分も成長し、相手の成長にも関わっていく。そうした姿が、1学期のさまざまな場面で見られたことを、大変うれしく思っています。とりわけ体育祭では、最後に生徒の呼びかけで、全員で校歌を歌うなど、その象徴的な場面があり感動しました。校歌がしっかり歌えることと挨拶ができる学校は素晴らしいと言われています。本校はまさにその模範となる学校と思います。今後ともよろしくお願いします。
 さて、今日のテーマは、スライドにもあるように「生成AI時代に、自分で考え、判断する力を」について話したいと思います。

 7月1日付で、「ソーシャルメディアポリシー」と「生成AI利用ポリシー」をホームページ上に掲載しました。これは、みなさんが主体的に、そして安心・安全にデジタル技術やAIを使いこなしていくための大切な指針です。みなさん自身も発信の主体の一人であることが非常に大切なことです。
 みなさんの中にも、すでに多くの人が生成AIを使っていることと思います。質問をすると、すぐに答えが返ってくる。文章を作ってくれる。要約もしてくれる。アイデアも出してくれる。大変便利です。
 実は、私もAI、つまりチャッピーに相談することがあります。ですから、AIを使うこと自体が悪いと言っているのではありません。大切なのは、使い方です。ここで、ぜひ覚えておいてほしいことがあります。AIが出した答えをそのまま信じてはいけません。「本当にそうなのか」「根拠はあるのか」「他の資料ではどうなっているのか」「自分はそれをどう考えるのか」
 こうした問いを持つことが大切です。AIは、正解を知っている先生ではありません。「これは絶対に正しい」と分かって答えているわけでもありません。AIは、大量のデータから学習したパターンをもとに、次に来る可能性の高い言葉を統計的に探り、つなげながら、もっともらしい答えを作り出しています。だから、時々、堂々と間違えます。知らないことを、知っているかのように答えることもあります。言ってみれば、AIも「知ったかぶり」をすることがあるのです。
 もう一つ、忘れてはならないことがあります。AIに入力した情報は、サービスによっては保存されたり、学習に使われたりする場合があります。そのため、個人情報や、友人・家族・先生・学校に関わる大切な情報を、安易に入力してはいけません。また、生成AIで作った文章、画像、音声、動画などを使うときには、他人になりすましたり、実在する人の顔や声を無断で加工したり、嘘の情報を本当のように見せかけたりしてはいけません。便利な技術であるからこそ、人を傷つける使い方をしてはならないのです。「これは誰かを傷つけることにならないか?」と想像力を発揮することが大事です。
 AIは便利です。しかし、便利であることと、正しいことは同じではありません。速いことと、深く考えていることも同じではありません。きれいな文章であることと、自分の考えであることも同じではありません。課題をAIに丸投げすれば、時間は短縮できるかもしれません。しかし、そのとき失われるのは、自分で悩み、調べ、考え、言葉にする力です。それは、学びの一番大切な部分を手放してしまうことになります。
 AIは、答えをもらうためだけの道具ではありません。自分の考えを深めるための相手にすることができます。分からない言葉を確認する。考えの整理を手伝ってもらう。別の視点を出してもらう。自分の文章を見直すきっかけにする。そのように使えば、AIはみなさんの学びを支える力になります。
 そして何よりも一番重要なことは、最後に判断するのは自分だということです。最後に責任を持つのも自分です。最後に自分の言葉で語るのも自分です。
 これからの時代、情報はますます増えていきます。便利な道具も、さらに進化していくでしょう。だからこそ必要なのは、単に情報を受け取る力ではありません。情報を見極める力、自分で考える力、そして責任を持って行動する力です。
 岩倉高校が目指すのは、未来進化型Convivial Schoolです。変化の激しい時代に、仲間とともに学び、考え、新しい価値を創造し、社会に発信していく学校です。
 そのためにも、みなさんには、AIやSNSを「使われる」のではなく、「使いこなす」人になってほしいと思います。便利さに流されるのではなく、自分の頭で考え、自分の心で判断し、自分の言葉で表現する人であってほしいと思います。
 この夏休みは、学校の授業から少し離れる期間です。今こそ、自分に秘められた無限の可能性を解き放ちましょう。部活動、勉強、読書、進路に向けた準備、家族との時間、仲間との時間、自分自身と向き合う時間を大切にしてください。そして、「自分なりの目標」を立て、それをやり遂げて、達成感や充実感を持つことです。その積み重ねこそが、みなさんの「主体性」を育て、AI時代を主体的に生きていく力につながります。
 2学期、また一回り成長したみなさんと会えることを楽しみにしています。健康と安全に十分気をつけて、充実した夏休みを過ごしてください。以上で、1学期終業式の話を終わります。

 

『保護者の皆様へ』
 日頃より本校の教育活動に深いご理解と温かいご協力を賜り、衷心より御礼申し上げます。どうもありがとうございます。
 本日の終業式では、「生成AI時代に、自分で考え、判断する力を」をテーマに、生徒たちに話をしました。生成AIをはじめとするデジタル技術は、これからの社会を生きていくうえで欠かすことのできない便利な道具です。しかし、便利だからこそ、その情報をそのまま信じるのではなく、根拠を確かめ、自分の頭で考え、自分の心で判断し、責任を持って行動する姿勢が求められます。
 また、生徒たちには、この夏休みに「自分なりの目標」を立て、それをやり遂げ、達成感や充実感を得てほしいと伝えました。小さな目標であっても、自ら決めたことに取り組み、最後までやり遂げる経験の積み重ねが、主体性を育み、一人ひとりに秘められた可能性を引き出すことにつながると考えています。
 明日から夏休みに入ります。ご家庭におかれましても、お子様と学校生活や将来のこと、SNSや生成AIとの付き合い方などについて、ゆっくりと話し合う時間を設けていただければ幸いです。あわせて、規則正しい生活と基本的な生活習慣を大切にし、健康と安全に十分留意しながら、充実した夏休みを過ごすことができますよう、ご指導とお見守りをお願い申し上げます。
 2学期、一回り成長した生徒たちと再会できることを、心より楽しみにしております。

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