No.35 夜明け前が最も暗い―就職活動奮戦記2026/2/25
【校長からの発信】
No.35 夜明け前が最も暗い―就職活動奮戦記
2026年2月25日 校長 森田 勉
時の経つのは早いもので、2月も最終週に入りました。少しずつ春の気配が感じられるようになってきました。春は別れの季節でもあります。3年生は来週7日(土)に卒業証書授与式を迎え、本校を巣立っていきます。最後まで本校生徒としての自覚と誇りを持ち、自分なりの「岩倉スピリット」を完成させてほしいと願っています。
3年生のおよそ4分の1は卒業後に就職します。就職希望者全員の内定先が決まりました。それぞれが内定に至るまでの過程で、かけがえのない経験を積み重ねてきたことでしょう。それはこれからの人生を支える大切な財産になります。みなさんの前途に、生きがいと希望に満ちた未来が広がることを心より祈っています。
今回は、3年M組の前川一樹君が、会社より内定をいただくまでの「就職活動奮戦記」を寄稿してくれましたので紹介します。
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就職活動を終えて
3年M組 前川一樹
このたび、このような発表の機会を設けていただいた森田校長先生をはじめ、就職活動にあたり多大なご支援をいただいた担任の先生、就職指導部の先生方、また面接練習や作文・志望動機の添削でお世話になったすべての先生方に、心より感謝申し上げます。あわせて、日頃より温かい励ましを送ってくださった先輩方や在校生、そして何より身近で支えてくれた家族にも、深く感謝しています。
振り返ると、就職を強く意識し始めたのは、一昨年7月に東京駅で参加させていただいた鉄道実習がきっかけでした。それまでの私は、将来について明確な目標を持てずに過ごしていましたが、日本の玄関口である東京駅の最前線に立ち、多くのお客様と接する中で、業務の責任の重さと厳しさを肌で感じました。同時に、駅係員の方々がその重責を的確に果たす姿に強く心を打たれ、「自分もこの一員になりたい」「本物の鉄道員を目指したい」という思いを抱くようになりました。
それ以降、「将来は鉄道会社の一員になる」という自覚のもと、日々の学校生活や行動一つ一つを大切に過ごしてきました。
本格的に志望動機の作成に取り組み始めたのは、年明け1月中旬です。当初は方向性が定まらず、内容も抽象的でしたが、先輩方の志望動機を参考にしながら、自分自身の言葉で表現できるよう何度も書き直しました。5月末に原型を完成させた後も、先生方や先輩方の助言を受けながら推敲を重ね、6月末に最終的な志望動機を完成させることができました。
並行して、公営企業の採用試験にも挑戦しました。東京都交通局、横浜市交通局、仙台市交通局の3局を受験し、仙台市交通局では一次学科試験を通過し、面接試験まで進むことができました。面接日は7月下旬で、それに向けて早い段階から準備を重ねていたことで、本番では落ち着いて臨むことができたと感じています。
結果として公営企業から内定をいただくことはできませんでしたが、それまでの面接練習や本番での経験を糧に、本命企業に向けて気持ちを切り替えました。夏休み期間中は、SPI対策講習やグループディスカッション対策講習に参加し、多くの先生方や仲間に支えられながら、面接練習を重ねていきました。
夏休み明け以降も準備を怠らず、日々課題を洗い出しては改善を繰り返しました。9月13日には森田校長先生にも面接練習をしていただき、緊張はありましたが、これまでで最も手応えを感じる機会となりました。9月15日までに延べ44名の先生方と面接練習を行い、生徒同士の練習も含めると、100回以上の練習を重ねました。

9月16日の就職解禁日には、16日・17日の2日間にわたり採用試験に臨みました。16日は学科試験、作文、グループディスカッションが行われ、一定の手応えを感じることができました。翌17日の面接では思うような受け答えができず、不安な気持ちを抱えながら試験会場を後にしました。
9月25日に通知があり、残念ながら内定には至りませんでした。その帰り道、新聞記事の一節にあった「夜明け前が最も暗い。夜明けは近い。」という言葉が心に残りました。この言葉を支えに、「次こそは必ず」と気持ちを切り替え、二次募集に向けて再出発を決意しました。
履歴書や志望動機を一から見直し、これまでの経験や先生方、内定を得た仲間たちの励ましを力に、二社目の試験に臨みました。面接では大きな手応えを感じましたが、眼科検診の立体視検査で基準を満たすことができず、再び内定には至りませんでした。
それでも諦めることなく、三次募集に向けて課題を整理し、「必ず内定をつかむ」という強い気持ちで準備を続けました。周囲の仲間たちが次々と進路を決めていく中で焦りを感じることもありましたが、一歩ずつ前進し、試験当日を迎えました。学科試験、作文、面接のすべてにおいて、これまでで最も自分らしく臨むことができたと感じています。
その5日後の12月5日、選考結果の通知を受け取り、無事に内定をいただくことができました。長い就職活動が実を結んだ瞬間でした。
春からは鉄道員として、我が国の誇る鉄道の安全輸送を支える一員となります。社会の変化や技術の進展により、駅務員の役割も変わっていくかもしれませんが、それでも「駅は人が支える場所である」という信念を大切にし、鉄道の将来に希望を持ち、岩倉高等学校の卒業生として誇りを持って、日々の成長を大切にしていくことをここにお誓い申し上げます。
駅務員はサービス業であるという信念を胸に刻み、お客様に真心込めた接客をし続けることを忘れずに務めていきたいと考えています。これまで支えてくださったすべての皆様へこの場を借りて再度御礼申し上げるとともに、これからの一歩を踏み出します。

【贈る言葉】
100回を超える面接練習。その積み重ねこそが、前川君の真の財産です。結果はもちろんですが、ここまでやり切った事実こそが、社会人としての大きな礎になるでしょう。岩倉で培った「あきらめない力」を胸に、どうか堂々と未来へ進んでください。






