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No.4 DISCOVERY JOURNEY説明会 ―「問い」と出会う、次世代型修学旅行に向けて―
2026/4/25

【校長からの発信】
No.4   DISCOVERY JOURNEY説明会 
     ―「問い」と出会う、次世代型修学旅行に向けて―


2026年4月25日 校長 森田 勉


 1年生 生徒・保護者対象の「DISCOVERY JOURNEY(次世代型修学旅行)」説明会を実施しました。保護者の皆様とともに、本校が目指す新たな学びのかたちについて、その理念とねらいを共有する機会となりました。
 本説明会では、私から本プログラムの理念をお伝えするとともに、構想の背景にある教員の原体験についてもご紹介いたしました。ここでは、その内容を掲載いたします。

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【校長挨拶】

 1年生の生徒のみなさん、保護者の皆様、こんにちは。
 ご入学から2週間あまりが過ぎましたが、お子様たちのご様子はいかがでしょうか。新しい環境の中で、まだ緊張も続いていることと思います。どうか健康面にも十分ご留意いただき、保護者の皆様におかれましては、温かく見守っていただければと思います。
 先日、朝7時15分ごろ、学校前の横断歩道で信号待ちをしていた際に、新入生と偶然出会いました。「高校生活はどうですか」と尋ねたところ、「通学が大変です」と率直に話してくれました。中学校までは自宅から歩いてすぐだったそうですが、現在は1時間以上かけて電車通学をしているとのことです。まさに、生活がこれまでとは大きく変わったことが実感されました。すべてが高校生らしくなっていくには、1~2か月ほど、もう少し時間がかかると思います。どうぞ焦らないでいきましょう。
 さて、本日は「DISCOVERY JOURNEY」説明会にお集りいただき、誠にありがとうございます。本プログラムは、本校が進めている学校改革の一環として位置づけている、いわば「次世代型修学旅行」です。本校は来年、創立130周年を迎えますが、その節目に向けて、2年前から教育の在り方を問い直して、スクールミッションとして「未来進化型のコンヴィヴィアル・スクール」を掲げました。人と協働しながら、新たな価値を創造し続ける学校を目指すことです。その具体的な取り組みの一つが、この「DISCOVERY JOURNEY」です。このプログラムは、鬼頭学年主任の原体験に基づく強い思いから構想され、現地視察等を経て実現に至りました。まさに「体験に裏打ちされた学び」の形であるといえます。
 「旅」は、人を大きく成長させる契機となると言われます。今回の旅のねらいは複数ありますが、私がとりわけ重視しているのは、「学び続ける姿勢の確立」…自ら問いを立て、その答えを探し続ける学習者としての姿勢が育まれる。という点です。入学式でも、「人はなぜ学ばなければならないのか」という問いを投げかけました。人は問いと向き合う中で成長していきます。今回のDISCOVERY JOURNEYもまた、生徒のみなさんが自分自身の問いと出会い、大きく飛躍するための機会となることを願っています。
 もちろん、学校行事として実施する以上、安全面や計画性には十分配慮しております。その上で、可能な限り「探究心」や「主体性」を引き出す設計としています。保護者の皆様には、ぜひその教育的意義をご理解いただき、ご支援を賜れれば幸いです。
 本日の説明では、行き先ごとの内容や費用面など、具体的なご案内もございます。詳細につきましては、この後の担当者からの説明をご確認ください。
 本日は限られた時間ではございますが、どうぞ有意義なひとときとなりますようお願い申し上げ、簡単ではございますが、冒頭のご挨拶とさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

【鬼頭教諭メッセージ】 ―「DISCOVERY JOURNEY」提案の原点となった体験 ―

「DISCOVERY JOURNEY」提案のもととなる私の原体験と海外コース現地視察を経て
 このたび、海外コースの現地視察を通して、「DISCOVERY JOURNEY」プログラムの提案の原点となった、私自身の原体験を改めて思い出すこととなりました。
 私が 22 歳の頃、初めて一人で海外を旅した経験がございます。目的地はインド。15 日間の旅で、持っていたのは格安航空券、旅行ガイド『地球の歩き方』、そして現金 1 万円だけでした(当時、インドでは 1 万円で 1 カ月生活できると聞いていたためです)。旅の道中では数多くの困難に直面しましたが、無事に帰国することができ、何よりも「また行きたい」と強く思ったことを今でも鮮明に覚えています。
 ニューデリーで突然のスコールに打たれ、タージ・マハルを目にして鳥肌が立ち、ガンジス川で沐浴をし、ブッダが悟りを開いたとされるマハーボーディ寺院を訪れました。コルカタのマザーテレサの施設「死を待つ人の家」ではボランティアも体験しました。現地のチャイを味わい、スパイスの効いたカリーを手で食べ、インド独特の文化にも深く触れました。多くの旅人と語り合い、時には現地の人に騙される経験もしました。
 私が経験したインドの旅では、「生きるとは何か」「死とは何か」「信仰や家族とは」など、深い問いを数多く与えられました。また、物乞いの存在やカースト制度、教育、慈愛についても深く考えさせられました。
 旅先で見た景色、出逢った人々、そのすべてが私にとって刺激的で感動的なものでした。そして何より、この旅を通して「行動すること」へのハードルが格段に下がったことが、最も大きな学びとなりました。インドから帰国した半年後には、南米(ペルー・ボリビア)を旅し、本校に赴任する以前にはベトナムやカンボジアも訪れました。旅を重ねるたびに、22 歳当時の原点を思い出し、自分の価値観や世界観が広がっていくのを感じてまいりました。
 今回海外コースの現地視察の際、ジャカルタの「アジアの熱気」に触れた瞬間、こうした原体験が一気によみがえり、過去の自分と現在の自分を見つめ直すような時間が生まれました。視察後しばらくの間は、目にした光景や出逢った人々やそこで聞いた言葉を振り返りながら、今後の自分のあり方を思い描く機会にもなりました。プログラムの下見ではありましたが、「旅」がもたらす価値を、改めて実感できた時間でした。

 「DISCOVERY JOURNEY」は、生徒たちにとっても、このような“人生の原点となるような体験”を届けたいという願いから生まれたプログラムです。もちろん、学校教育の枠組みの中で実施する以上、安全面には十分配慮し、無理のない計画とします。しかしその中でも、可能な限り「冒険心」や「探究心」を大切にしたいと考えています。特に、「学校教育旅行だからこそ出逢える人」「学校教育旅行だからこそできる体験」を盛り込みたいという思いが、視察を通してさらに強まりました。
 今や世界中とオンラインでつながることができる便利な時代です。しかし、あえて現地に足を運ぶこと、現地の方から直接話を伺うことには、決して代えられない価値があります。
 たとえば、水 1 本の価格が場所によって大きく変わるように、同じ話であっても、聞く「場所」や「相手」によって、その価値は何倍にもなることがあります。現地で、直接その空気を感じながら話を聴くことの意味は、そうした“体感的な価値”の違いにあると私は考えています。
 「DISCOVERY JOURNEY」が、生徒一人ひとりの価値観を揺さぶり、自分の人生を豊かに生きるきっかけとなるよう、事前学習から実施、事後学習まで今後も丁寧に設計してまいります。

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 「DISCOVERY JOURNEY」は、単なる行事ではなく、生徒一人ひとりが自分自身と向き合い、「問い」を持ち帰るための学びの機会です。
 その問いが、やがて人生を支える軸となり、「あの経験が自分の原点だった」と振り返る日が来ることを願っています。
 ご家庭におかれましても、お子様の新たな挑戦を温かく見守り、ともに支えていただければ幸いです。

 

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