No.11 夏休みを迎えるにあたって2021/7/21
【校長からの発信】
No.11 夏休みを迎えるにあたって
2021年7月21日 校長 森田 勉
本日、1学期終業式を迎えました。ここまで学校全体を震撼させるような大きな事故や事件もなく今日を迎えることができました。これは、学校関係者の全ての皆様のおかげであると感謝しています。どうも有り難うございます。また同時にこのことは、生徒のみなさんが、自分の高校生活を充実させる主体者は自分達である、という好ましい自覚を持てたことのあらわれでもあります。この点、高く評価しています。今後とも学校発展のために協力してほしいと思っています。
さて、明日から41日間の長い夏休みに入ります。この夏休みを迎えるにあたって、5つのことを生徒のみなさんに課しておきます。
- 今学期もコロナ禍での学校生活でした。一定の緊張感を持ちつつ、よく頑張ってきたと思います。まずは、心身ともにリフレッシュしてください。その上でこの1学期間を振り返り、成長できた部分とやり残した部分をしっかりと整理をして、さらなる飛躍のためにその振り返りを今後の礎にしてほしいと思っています。できればその振り返りを家族の方や友人に披露して、率直な意見をもらいましょう。そのことによって、自分では気づいていなかった自分の別の面を知ることができると思います。他者を通して自分を相対化して見る姿勢を獲得することにつながります。
- 振り返りを通して課題が見つかったら、新たな、そして実現可能な目標を設定して取り組むことです。その目標の中身は勉強でもクラブ活動でもよいし、あるいは自分の視野を広げるための何らかの取り組みでもかまいません。しかし、一度目標を設定したら、その実現に向けて粘り強くコツコツとやり抜くことが大事です。ひとつのことを集中してやり遂げるいといった経験は自分の中にしっかりと蓄積され、自信となり、他のことに応用できるようになります。金東記念講話でも話しましたが、「やり抜く力」は将来の成功のカギとなります。
- 他者の気持ちに寄り添える人になりましょう。夏休みはいろいろな人と接する機会があることでしょう。そういうときに、相手の人が自分に何を言おうとしているのか、また、どんな気持ちで自分に接しているのか、よく考えて行動してほしいと思います。この相手の人の中にはもちろんご家族や友人も含まれています。これは他者を思いやる心と言ってもいいでしょう。今のうちから、未来社会を生き抜くための大切な素地を身につけておきましょう。
- 夏休みは、気持ちが浮かれて暴走しがちになるかもしれません。そういうときには、よく考えてみて、「まずい」と感じたら、“撤退する”ことも勇気ある行動です。そして事故に遭わないように注意しましょう。自分の体力を過信して無謀な行動をすると、生命に関わる大事故を招くことがあります。特に海や山に出向く場合には、より慎重な行動が求められます。
- SNSから少し離れてみましょう。手紙やはがきを書く習慣はまずないでしょう。ライン等で“予測変換機能”に馴れすぎていて、文を書くことは苦手な人は少なくないと思います。誰宛てでもよいので、残暑見舞い状でも書いて近況を知らせてみてはいかがですか? また、読書をするのもよいでしょう。読書は、貴重な体験であり、単純な情報摂取以上の意義を持っています。それは、「読む」という主体的な行為を通じて、他者の思考に寄り添い、同時に自分の考えをまとめていく訓練にもなるからです。本を読む、読まないは自由ではなく、運動選手が基本・基礎トレーニングをするように、高校生には、本を読む習慣をつけることはどうしても必要なものです。その習慣を身につける上で最適な期間が、明日からの夏休みです。
こうした課題をクリアして、2学期に、また一段とたくましくなったみなさんと再会できることを楽しみにしています。コロナ感染防止に努めながらも充実した夏休みにしてほしいと強く願っています。
『保護者の皆様へ』
日頃より本校の教育に対しましてご理解とご協力を賜り、衷心より御礼申し上げます。どうも有り難うございます。
お子様たちが生きていく未来は、変化の激しい時代であるとも言われています。こうした時代を生き抜いていく上では本校の教育目標にある「仲間とともに主体的に学ぶ、考える、創造する、そして行動する」力が求められていきます。その力の前提となるのは、高校時代に学習中心の生活習慣が確立できることです。その習慣は、お子様たちに秘められた無限の可能性を引き出すための基盤になるものと確信しています。
明日から夏休みに入ります。その可能性を引き出し伸ばしていくために、保護者の皆様には、ぜひ、この休みの期間にお子様とのコミュニケーションをはかる時間をつくっていただきたいと存じます。あわせて、お子様たちが規則正しい生活を送り、好ましい学習習慣が身につくようご支援をよろしくお願い申し上げます。