No.1 始業式式辞骨子2022/4/7
【校長からの発信】
No.1 始業式式辞骨子
2022年4月7日 校長 森田 勉
本日、令和4年度第1学期の始業式を迎えました。いよいよ新鮮で希望に溢れる新年度を迎えることになりました。みなさんもいろいろと抱負を抱き、決意を新たにしていることと思います。
4月6日に入学式が行われ、407名の新入生を迎えることができました。2年生、3年生のみなさんには新しくたくさんの後輩ができたということになります。ぜひいろいろとサポートをしてあげて下さい。よろしくお願いします。
新入生には、自分に秘めたものすごい潜在能力を引き出し高めるために、いつでもどこでも仲間とともに主体的持続的に学ぶ、考える、創造する、そして行動する精神、すなわち岩倉スピリットを発揮し続けてほしいと伝えました。そして、「人間はなぜ学ばなければならないか」という問いかけもしました。もちろんこれらのことは、新入生だけでなく、2、3年生のみなさんにもいつも話していることです。ときどきは思い出して、自己を高める実践を積み重ねてほしいと思います。
2年生は、慣れてきた高校生活に慢心せず、いよいよ学校の主役を担うという自覚を持ってほしいと思います。また、3年生には、いよいよ、進路を決定するという最後の大きな関門が待ち受けています。努力は運を支配する、とも言います。コロナ禍という制約はありますが、全員が大切な高校時代という素晴らしい青春のときを無駄にすることなく、努力して邁進してください。
そしてまた、世の中では「18才成人」のことが話題になっています。この4月1日より施行され、みなさんも高校在学中に成人になります。成人になると自分の意思で選択できることが増えます。一方で、大人としての責任と自覚が求められます。そして何よりも大事なことは、一人の自立した人間として社会の担い手になっていく、社会に貢献していく、という確固とした意識や心構えを持つことです。すなわち、主体的に行動できる能力を持たなくてはいけないということを意味しています。そうしたことにも思いを馳せて志を下げることなく自己を高めるよう努めてください。
さあ、いよいよ新年度が始まりました。みなさんは、新たな目標設定を済ませましたか?
ちなみに私は、「謙虚に誠実にそして感謝の気持ちを忘れずに学び続ける」ということを今年度の目標と位置づけました。これは昨年度を振り返り、どうも最近『思い込み』で判断し行動してしまう傾向が出てきているということを反省したこと、ならびに、この3月中にも読書からそして人との出遭いからまだまだ知らないことがたくさんあるなということを学んだからであります。謙虚に誠実にそして感謝の気持ちを忘れずに学び続けて、学ぶ喜びを体験・体感したいと思っています。
みなさんには、先月の終業式で「挑戦する、羽ばたく、そして失敗を怖れない」などのキーワードを出しつつ「明るく、強く、正しく、そして楽しく貪欲に学び続けて世界に向かって大きく成長して飛躍してほしい」と訴えました。世界では今、コロナ感染症対策やウクライナ情勢等々先行き不透明な混沌とした難しい問題が多々起きています。こうした問題に自分ならどう貢献するかということを考えることが大事です。みなさんはこれから人生を生き抜いていく上で解決困難な問題に出遭うことでしょう。しかし、みなさんはそうした諸課題から逃げることなく、自分なりの解決策を考えだし、その妥当性や根拠を示して説明し周囲を説得していくように努めなくてはいけません。みなさんのこれからの将来に起こることは、ほとんどすべてが想定外のことだと思っていいでしょう。想定外の事態を、なんとか自分だけの力や仲間とともに自分たちだけで解決していかなければならないのです。成人として生きるとはそういうことです。そのようなときに、解決のヒントとなるものは何でしょうか。先人たちが教えてくれいます。二人の言葉を紹介しておきましょう。
細胞生物学者である京都大学の永田和宏名誉教授は次のように言っています。「『自分ならどう考えるか』というときに、それまでに先人たちがどのように考えてきたのかを学ぶことが重要な意味をもっている」
また、早稲田大学の創始者である大隈重信は次のように言っています。「この複雑なる社会の大洋において航海の羅針盤は学問である」というのです。これを少しかみ砕いて言うと、「学問の中に、過去にあった未知の問題に対して人類がどのように解決してきたかが書いてある」ということです。学問、すなわち、学びを問うていく姿勢が大事だということです。私がみなさんに一貫して問い続けている「人間はなぜ学ばなければならないか」という問いかけに対して、しっかりと自分自身と向き合って、自問自答して考え抜き答えを見出していくことに通じることでもあります。
答えの見つけにくい問題に挑み解決していくためには、先人達の知見や経験から学び、失敗を恐れず挑戦し、失敗してもさらに挑戦するための知識を学び・実践することを繰り返していくことに尽きるのです。だからこそ楽しく貪欲に学び続けるといった力強い心構えが重要なのです。
この高校時代は、失敗してもそれを「経験」として許される時代です。こうしたかけがえのない時代に、その経験をたくさん積み、仲間とともに主体的に学び、考え、創造し、行動していくことが大事なのです。ぜひ、強い決意でこの1年間に臨み、充実した、そして健全な高校生活を全うできるように頑張っていきましょう。みなさんならそれが必ずできると信じています。頑張ってください。