No.38 卒業証書授与式 校長式辞2024/3/2
【校長からの発信】
No.38 卒業証書授与式 校長式辞
2024年3月2日 校長 森田 勉
本日ここに、令和5年度 (2023年)度本校卒業証書授与式を迎えました。式辞を述べるに先立ちまして、本日、ご多忙中にもかかわらず、ご臨席賜りましたご来賓の皆様には厚く御礼申し上げます。どうもありがとうございます。
また、保護者の皆様におかれましては、これまで注がれてきたかけがえのない愛情により、立派に成長されたお子様たちの晴れの姿を目にされ、その喜びもひとしおであると、ご推察し、心よりお祝い申し上げます。おめでとうございます。
さて、356名の3年生のみなさん。卒業おめでとうございます。今日のみなさんの表情を拝見し、3年前の入学式のときと違い、とても頼もしく私の目に映っています。
今年卒業されるみなさんは、特別な思いを持ってこの日を迎えていることと思います。みなさんが本校に入学したときは、新型コロナウイルス感染症の拡大というパンデミックに、世界中・日本中が振り回されている真っ最中でありました。それから2年間、マスク着用を義務づけられるなど、感染防止対策上の制約の中での高校生活を余儀なくされました。しかし、みなさんはたくましかった。そうした困難な状況にもめげず、創意工夫を凝らし、教科の勉強のみならず、生徒会やクラブ活動、修学旅行などの行事を見事にこなしてくれました。
そして、3年生になり、コロナが5類へ移行したと同時に、青春の熱いエネルギーが解放され、大きな成長を遂げたのであります。4年ぶりに全校生徒参加型の体育祭を復活させ、秋の岩倉祭では、「青春は遅れてやってくる」というスローガンのもと、見事なパフォーマンスを発揮してくれました。みなさんの活躍は、本校の歴史にしっかりと刻まれています。それはまたみなさん自身にとっても大きな財産となりました。
なぜならば、それこそ、本校の「岩倉スピリット」すなわち「仲間とともに主体的に学び、考え、創造し、行動する」ことの実践に他ならないからです。みなさんは覚えているでしょうか。3年前の入学式のとき、私はみなさんに対して、卒業時には、自分にとっての岩倉スピリットとは何であるか、自分の言葉でしっかりと説明できるようにしてほしいと話したことを。さあ、いかがでしょう。自分なりにしっかりまとめて財産として蓄積してください。
今日は、餞(はなむけ)として、そのまとめの手助けをしておきましょう。みなさんが獲得したものを7つほどに整理してみました。
1つめは「自信や誇り」を身につけたことです。これは、設定した数々の目標を成し遂げて、その都度の達成感を積み重ねた成果であります。自分をまっすぐ信じることはこれからも人生の宝にしてください。
2つめは「根気強さ」です。何事に対しても「絶対にあきらめない」という姿勢は、どの世界に進んでも武器になるでしょう。
3つめは、「適度に疑う注意深さ」です。対話型AIをはじめとする技術が進歩した現代社会または未来社会では欠かすことができない能力です。これまで同様、自分のアタマでとことん考えて、主体的な意見を持つことが大事です。
4つめは、「チームワーク」。これは、みなさんに勇気と安心感をもたらしてくれるものです。チーム全員を合わせた力より賢明な人はどこにもいないことを忘れないでください。
5つめは「常識」です。何事においても思い込みは禁物です。常に適度に自己批判ができる目を今後も持ち続けましょう。
6つめは「問題解決能力」です。これはこれからの世の中で最も有効な能力と言えます。問題に関連のある経験や記憶を引き出し、それを解決に役立つ形に論理化し、直面する問題に再び結合させていく力です。これを発揮すれば鬼に金棒と言えます。
最後の7つめは、「不思議さに驚嘆し、美しさに感動する感性」です。「豊かな感性」は、みなさんの最も優れている部分です。心温まることや美しいものに感動する心を持つことが、創造性を養う種になり、先ほど述べた、「問題解決能力」を持てることにつながっていくものなのです。今後もその心を大切にし、達成感や充実感を味わえるように前向きに生きていきましょう。
いかがですか。これらの中に自分の思いとマッチするものがあると思います。これらを糧にして、さらにステップアップしていってください。
ところで、みなさんの入学時に私が課した課題はもう一つありました。それは「人間はなぜ学ばなければならないか」という問い掛けに対しての答えを見出すことでした。もうこれについては、自分なりの岩倉スピリットを身につけたみなさんにとって、それほど難しくない課題であると思います。それは、「ねばならない」という問いかけ自体が的を射ていない、すなわち、「人は学びたいという強い意欲・要求があるから学ぶのである」「そこに喜びがあるから学ぶのである、そして行動するのである」と、いうことなのです。
こうした財産を大切にして、みなさんは新たな世界に飛び込んでいきます。何年かのちにまた一段と成長した姿で学校に顔を見せてください。再会を楽しみにしています。
以上をはなむけの言葉とし、これからも、みなさん一人ひとりが、希望と生きがいに満ち溢れた、そして高いモチベーションと満足感をもって学び続けていくような、輝ける素晴らしい人生があることを祈り、式辞を終わりとします。
卒業、本当におめでとうございます。