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No.2 入学式 校長式辞
2024/4/9

【校長からの発信】
No.2  入学式 校長式辞


2024年4月9日 校長 森田 勉

 

 本日、ここに、令和6年度入学式を挙行するにあたり、学校を代表して、新入生のみなさん、ならびにご参列賜りました保護者の皆様に対しまして、心よりご入学のお祝いとお慶びを申し上げます。
 また、ご多用中にもかかわらず、ご臨席いただきましたご来賓の皆様には厚く御礼申し上げます。「どうもありがとうございます」
 さて、379名の新入生のみなさん、入学、おめでとうございます。
 今日は、外はあいにくの雨ですが、「やまない雨はない」「雨降って地固まる」とも言います。遅咲きの桜も満開で、今日の入学を祝い、後押しをしてくれているようです。今年もフレッシュで、そして無限の可能性を持つ新入生のみなさんを迎え入れることができ、大変嬉しく思っています。今日のみなさんの表情を拝見し、127年目を迎える本校の伝統が、今後ますます、彩り豊かになって発展していくものと確信しています。本校はあと3年で創立130周年を迎えます。それを契機として、コンヴィヴィアル・スクールを目指しています。コンヴィヴィアル・スクールとは、「仲間と共にみんなで楽しく活動しながら、共に成長していける学校」のことです。みなさんも今日からそのコンヴィヴィアルな学校の一員になったのです。
 そして、みなさんは、この本校で、勉強からクラブ活動、委員会活動、及び学校行事などの学校生活を、仲間と一緒に過ごして青春を謳歌してください。そして1ページ、1ページとページを重ね、自分なりの分厚いキャリアノートまたはアルバムを増やしてください。そのことにより自分の存在する意義や価値を見出す、ないしは確立する基盤を創り出してください。
 みなさんは、これから卒業するまでの間、本校の教育目標である「仲間とともに、主体的に、学び、考え、創造し、そして行動する」という言葉を何度も耳にすることでしょう。本校ではこれを岩倉スピリットとも呼んでいます。このスピリットは、本校の127年にも及ぶいわばDNAが顕在化したものであると言うことができます。そのDNAとは何か。主に次の3つからなっています。
 一つ目は、本校の名前にもなっている岩倉具視が「鉄道の重要性」と「未来社会を変えうる人材育成の重要性」を当時の政府に訴え求めた精神(いわば建学の精神)です。それを端的な言葉で言い表せば、洞察力、構想力、そして大胆な行動力です。
 二つ目は、本校のロケーションです。150年ほど前に欧米各国を訪問した岩倉使節団の「世界を知り、日本らしく進化するための構想を描き、美と伝統、知識と技術の重要性」を体現したのが上野公園であり、そこに隣接した現在の位置に学校があることです。本校がこの地にあるのは偶然ではなく、先の岩倉使節団の遺志を引き継いでいるものと考えています。すなわち、文化と創造の地にある学校であるということです。
 そして、最後の三つ目は、岩倉鉄道学校第3代校長の山田英太郎先生が昭和初期に掲げた校訓「正心第一」を通じた人間形成により、主体的思考力と行動力、他者に対する豊かな共感力が強化されたことです。   
 これら三つの要素からなるDNAを発展させて、現在の形にまとめ上げたものが岩倉スピリット、すなわち教育目標として表現されているわけです。
 ここで、みなさんに課題を課しておきます。それは、すべてのみなさんが、これからの高校生活を通して、「学ぶ喜び」に目覚め、3年後に、自分なりの「岩倉スピリット」とは何かを自分の言葉で語ることができるように大きく成長することであります。これを入学して初めての私からの課題としておきましょう。
 さて、本日は、保護者の皆様にもご出席いただきました。ここまで、お子様たちを献身的に支え、励まし、そして本校に導いて下さったご苦労に、敬意を表し、あわせて心よりご入学のお祝いを申し上げ、ともに祝したいと思います。
本校では、先に述べた教育目標を実現するために、「生徒、保護者、教職員の三者の協力と開かれた学校」を教育方針としています。教育目標達成のためには私たち教職員の積極的な働きかけは当然必要ですが、お子様たちの主体的な取り組みと、そして何よりも保護者の皆様の多大なるご理解とご協力が欠かせません。保護者の皆様には、ぜひ、お子様たちの成長をサポートする理解者として、また、ときには教育の参画者として、お力添えをいただければ幸いです。どうぞ、よろしくお願い致します。
 さあ、新入生のみなさん、今日から高校生活がスタートしました。
 みなさんは、だれもが、大きく成長し飛躍できる、十分な潜在能力を持っています。今は、そのことに気づいていないだけです。これからの高校3年間で、仲間とともに主体的に学び、考え、創造し、そして行動しながら、その能力を引き出し高めていきましょう。
 みなさんの洋々たる未来が充実したものになることを強く願い、式辞を終わりとします。本当に入学おめでとうございます。

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