No.5 土曜プログラム ワクワク探究ラボ特別講演2024/5/13
【校長からの発信】
No.5 土曜プログラム ワクワク探究ラボ特別講演
2024年5月13日 校長 森田 勉
5月11日(土)の11:40からカフェテリアにて、土曜プログラムのワクワク探究ラボ特別講演が開かれました。このラボは、参加した生徒のみなさんが興味を持ち、それを掘り下げて、さらに何らかの行動につなげていってほしいということを目的とした企画です。今回は東京工科大学応用生物学部地球環境コース教授の松井 徹先生をお招きして、「微生物スクリーニングの仕事~沖縄の魅力、八王子の魅力~」という演題でお話しいただきました。
講演に先立ち、松井先生ご自身の自己紹介で、本校理科生物の一柳先生のお母様の同級生であるということを知りました。ご縁というのは有り難いものだなと改めて感じました。
講演は、「きっかけ」をキーワードとして、1、微生物について 2、沖縄の魅力について 3、八王子の魅力について そして最後に生徒のみなさんに向けてのメッセージという内容で進みました。先生のお人柄がにじみ出て、機知に富んだ話しぶりにみなさんが引き込まれていました。その概要は以下の通りです。
- 微生物について
- 微生物のスクリーニングとは、「社会の役に立つことを目的に微生物を探す作業」のことである。それを研究し実用化をはかるのが応用微生物学。
- その最高峰は、2015年に大村智博士が受賞したノーベル医学生理学賞である。
- 微生物がスクリーニングの流れ
- サンプル採取 ⇒ ②微生物の分離 ⇒ ③機能評価(研究開発)…役に立つ機能を持つものを効率的に探す。
- 良いポテンシャルを持った微生物を探し出し、最終的にベストな菌に絞り込んでいくことが大切である。そのために「微生物スクリーニング」から「微生物ライブラリ」を構築することが重要。それを目指している。
- 沖縄の魅力について
- コレステロールを下げる機能がある紅麹(現在話題になっている)の研究も行った。
- やってみてほしいこと1…琉球大学風樹館(生物展示や文化資料展示)を訪ねてほしい。シロアリに注目。お腹の中に微生物を飼っていてアクノマイシン(抗がん剤)という物質を作っている。
- やってみてほしいこと2…「おばあ」に話しかける。「おばあとゆんたん(おしゃべり)しましょうね」。何を言っているか分からないと思うけど楽しいので。
- やってみたいこと3…色々食べてみる。美味しい食材がたくさんある。
- 八王子の魅力について
- 八王子は、「そこそこ都会、そこそこ田舎」の魅力あり。21大学が存在していて学生街でもある。
- 東京工科大学の施設・設備は充実している。創立者である片柳前理事長の「いい環境を作れば学生は伸びる」というコンセプトが生きている。
- 夢は、新種微生物の発見と微生物での地酒造り(今年咲いた桜から麹を採って進めている)。
【生徒のみなさんへのメッセージ】
最後に、生徒のみなさんに対して、松井先生のこれまでの人生経験から、将来に向けて貴重な応援メッセージをいただきましたので載せておきます。
☆ 何でもかんでもうまくいったわけではない。大学進学、企業に就職、琉球大学、そして現在の東京工科大学と、 自分の場合は、きっかけは特に高い志があったということでもない。すべてはきっかけから。
☆ きっかけ ⇒ 気づき ⇒ 全力投球 ⇒ すると何かが見えてくる。最初から目標を探そうとやっきになっても上手くいかないことが多い。
☆ 始める前から思い込みはもったいない。やってみれば結構面白いことはいっぱいある。
☆ 大事なのは、与えられたところでベストを尽くすこと。