No.15 第107回全国高等学校野球選手権・東東京大会にて準優勝(その1)2025/8/8
【校長からの発信】
No.15 第107回全国高等学校野球選手権・東東京大会にて準優勝(その1)
2025年8月8日 校長 森田 勉
厳しい酷暑の毎日が続いています。引き続き、みなさんも体調に十分注意してお過ごしください。
さて、甲子園では全国の高校球児たちによる熱戦が繰り広げられています。今年の本校野球部は、あと一歩というところでその舞台への切符を逃しましたが、第107回全国高等学校野球選手権・東東京大会において見事準優勝という輝かしい成績を収めました。

もう少しで夢に届くところまで歩んだ彼らの姿は、多くの人々に感動と希望を与えてくれました。そして、神宮球場のスタンドでひとつになって声援を送った応援の風景にも、大きく心動かされるものがありました。この場を借りて、「感動をありがとう」と心からの感謝の気持ちを伝えたいと思います。

決勝戦の翌々日、7月30日には、野球部の3年生全員が、マネージャーの2人の女子生徒も含めて、校長室に挨拶に来てくれました。その表情はとても清々しく、そして頼もしさに満ちていました。中でも主将が語った「楽しめました」という一言が、とても印象に残っています。
この経験は、きっと彼らのこれからの人生を支える大きな糧になると確信しています。
その場で私は、部員のみなさんに次の6つの質問に答えてほしいとお願いしました。
1,試合を終えての率直な感想
2,野球部で活動して良かったこと、成長できたこと。
3,やり残したことがあれば、それは何か。
4,後輩に託すこと。
5,これからの夢や目標。
6,その他あれば。
この『校長発信』では、今回から3回にわたって、3年生部員たちが語ってくれた率直な想い、そして豊田監督の熱いメッセージをご紹介していきます。
仲間とともに歩んだ2年半の軌跡−その一つひとつの言葉に、どうか耳を傾けていただければ幸いです。
【試合を終えて、率直な思い】―神宮球場という大舞台で戦い抜いた最後の夏。勝利の歓喜と敗戦の悔しさが入り混じる中で、3年生たちは何を思ったのでしょうか。試合を終えての率直な気持ちを綴ってくれた声をお届けします。悔しさと誇りに満ちた、等身大の言葉の数々です。
- やり切ったという気持ちと、まだ先に進めたのではないかという悔しさが半々です。それでも、このチームの一員でいられて本当に良かったと心から思っています。
- 甲子園に行きたかったです。それが今の率直な気持ちです。
- 目標にしていた甲子園には届かず悔しい思いがありますが、一方で、二年半しっかりやりきったという達成感も大きく、どちらも強く残っています。
- とても長く濃い夏を経験できたこと、そして神宮球場という多くの観客の前でプレーできたことは、楽しく、また貴重な経験となりました。準優勝という結果は悔しさもありますが、それ以上に得るものが多く、自分にとって本当に意味のある大会でした。
- 2年半は長いようで、本当にあっという間でした。もっとこの仲間と、あと1日でも長く夏を過ごしたかったです。
- 準優勝という結果を出せたことに対する誇りと、あと一歩届かなかった悔しさとが入り混じった気持ちです。応援してくださったすべての方に、感謝の気持ちでいっぱいです。
- あと一勝すれば甲子園というところで敗れてしまい、正直とても悔しいです。ただ、最後まで楽しんでプレーできましたし、何よりも応援してくださった方々がいたからこそ、ここまで来ることができました。本当にありがとうございました。
- もっと長く野球を続けていたかった―それが一番の気持ちです。2年半は本当に短く、あっという間に高校野球が終わってしまったという思いが強いです。あと一歩、甲子園に届くところまで来ましたが、その一歩が本当に遠いと感じました。同時に、全国の多くの高校が甲子園を目指して努力を重ねていることを思うと、どの学校もその一球にかける想いや、勝ったチーム・負けたチームが互いをたたえ合う姿に、高校野球の素晴らしさを改めて実感しました。
- 応援してくださった方々を、甲子園という舞台に連れて行きたかったです。
【このチームで過ごして、成長したこと】―岩倉高校野球部という場で、選手たちは野球の技術だけではなく、人としての在り方を学びました。仲間との出会い、日々の練習、試合の緊張と達成感―そのすべてが彼らを大きく育ててくれました。そんな「成長の実感」を語るコメントをご紹介します。
- まず、人間性が大きく磨かれました。直接的な技術指導だけでなく、野球部に所属していたことで多くの方と出会い、さまざまな経験を通して人間として成長することができたと感じています。
- 元々、自分はキャプテンに向いているようなタイプではありませんでしたが、その役割を任せてもらったことで、自分ひとりでは得られなかったような経験をさせていただきました。多様な価値観や考え方にも触れることができ、本当に貴重な時間でした。
- 野球の技術だけでなく、人としてどうあるべきかということを深く学びました。社会人としての基本的な姿勢も身につけることができたと思います。また、仲間と目標に向かって努力した経験は、たとえ甲子園出場という目標には届かなかったとしても、準優勝という結果や、24年ぶりの決勝進出という成果につながり、後輩たちにも希望を残すことができたと感じています。
- 岩倉高校野球部で活動できたこと、本当に幸せでした。整った施設と環境の中で、毎日思う存分野球に打ち込むことができました。最高のチームメイトとグラウンドで過ごした時間は、自分にとって何ものにも代えがたい財産です。特に「謙虚さ」「全力疾走」「大きな声」「最後まで諦めない粘り強さ」ということを意識して取り組み、自分自身、大きく成長できたと実感しています。
- 野球の技術の向上はもちろん、人としての在り方や、周囲の方々への感謝の気持ちを改めて学び直すことができた場所でした。仲間と共に一つの目標に向かって努力することの難しさと楽しさ、その先にある達成感ややりがいを感じることができた貴重な経験でした。
- コミュニケーション能力が向上したと感じています。また、あいさつや礼儀などの基本的な所作が身につき、人間として成長できたと思います。
- 最高の仲間、そして指導者と出会うことができました。最後の大会は悔しい結果でしたが、準優勝という成果で終えることができ、人間性や礼儀の面でも大きく成長できたと思います。
- 今振り返ると、苦しいことや悔しいことの方が多く思い出されます。でも、それらを乗り越えたからこそ、この結果を残せたのだと思います。技術面ももちろんですが、人としても大きく成長できました。仲間を思いやり、一つの目標に向かって全員で練習を重ねていく経験は、これから大学や社会に出たあとも、大切にしていきたいことです。高校野球を通じて、人生で本当に大切なことを学ぶことができました。
- 野球部の活動を通して、周りへの気遣いが自然とできるようになりました。
☆次号予告:
「心残りがあるとすれば」―全力で駆け抜けたからこそ見える“もしも”の思い






