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No.18  2学期始業式 式辞
2025/9/1

【校長からの発信】
No.18    2学期始業式 式辞


2025年9月1日 校長 森田 勉

 

 みなさん、おはようございます。本日ここに、令和7年度(2025年度)第2学期始業式を迎えました。いよいよ長い夏休みを終え、読書、文化、そしてスポーツの秋である、2学期を迎えました。まずは、みなさんが元気な姿でこの場に戻ってきてくれたことを、大変うれしく思います。
 みなさんは、この夏休みをどのように過ごしたでしょうか? 1学期の終業式で、この休み期間は、認知能力や非認知能力を高め、成長する絶好の期間であるという話をしました。いかがだったでしょうか? それぞれの好ましい経験を糧にして新たな挑戦をしていきましょう。
 ところで、この夏休みの入りたて、全国高校野球選手権・東東京大会で、野球部は準優勝を果たしました。甲子園出場まであと一歩でしたが、最後まであきらめずに戦った選手たちの姿は、多くの人に感動を与えました。そして、応援スタンドで一体となって声を合わせた、生徒のみなさんの力も本当に素晴らしかったです。
 ある3年生野球部員が残してくれた感想を紹介します。
「野球の技術の向上はもちろん、人としての在り方や、周囲の方々への感謝の気持ちを改めて学び直すことができた場所でした。仲間と共に一つの目標に向かって努力することの難しさと楽しさ、その先にある達成感ややりがいを感じることができた貴重な経験でした」
 これは野球部だけの話ではありません。この夏、多くの生徒がさまざまな場面でかけがえのない経験を積み、確かな成長を遂げたはずです。
 私自身は、この夏は男子サッカー部、バドミントン部、そして女子バレーボール部の合宿を見て回りました。酷暑、猛暑の中、汗を流しながら真剣に取り組む姿に、みなさんの「本気」を強く感じました。
 仲間と声をかけ合いながら設定した目標を最後までやり遂げ、自分の精神的な限界を超えられた人もいるでしょう。ひたすら基礎練習を繰り返す中で、自分に足りないものが見えた人もいると思います。また、仲間と一緒に過ごす時間が増えたことで、チームの絆の深まりも実感できたことと想像しています。

 こうした経験は、次のような教訓に結びつきます。

  • 努力の価値 → 限られた時間を全力で生きることが、人生を豊かにする
  • 仲間の大切さ → 一人では成し得ないことも、仲間となら乗り越えられる
  • 感謝の心 → 応援してくれた人、支えてくれた人への感謝を忘れない
  • 挑戦する勇気 → 悔しさや失敗を糧に、次の一歩を踏み出す力になる

 これらは、きっとこれからのみなさんの学校生活ばかりでなく今後の人生の糧にもなっていくはずです。
 そして、この夏休みには、もう一つ大きな成果がありました。
 本校の生徒が取り組んできた平和学習の探究学習が、ついに形になったのです。
 東京大空襲・戦災資料センターでの学びを起点に、「戦時中の教育体制」について深く探究してきた2年B 組の太田心さんが、これまでの成果をまとめ、教育雑誌『クレスコ8月号』に寄稿しました。
 書道部員として展示作品に込められた想いに触れたこと、小学生時代に広島で聞いた被爆者の方々の話との対比から着想を得たこと。こうした体験をもとに、探究のテーマを自ら設定し、主体的に深めた成果です。
 彼女は寄稿文の最後に、「東京大空襲と広島の原爆に対する認知度・関心度の差を縮めていけるように活動を行う責任がある」と書いています。まさに、本校が掲げる「仲間とともに主体的に学ぶ、考える、創造する、そして行動する」という精神を体現した取り組みだと思います。
 みなさん、2学期は「最も成長できる学期」とも言えます。岩倉祭、修学旅行、そして学習。どれもが大きな意味を持つ活動です。
 9月20日、21日の岩倉祭のテーマは「閃光」です。高校生活でたった3回しかない文化祭。みなさんの個性と情熱を、この舞台で眩しい光として輝かせてほしいと思います。
 2年生の修学旅行も、ただの物見遊山ではありません。各コースで1年次から進めているテーマに沿って、主体的に学び、考え、体験する旅です。この経験が、自分の世界を広げ、将来につながる大きな力になります。
 そして、高校生の本分は学習です。3年生は、これまでの学びを進路に結びつけること。1、2年生は、本校の建学当初から引き継がれている精神、「自分の未来は自分で切り拓く」といった「岩倉スピリット」を実践することです。
 誰もが、学びを深め、自分の未来をデザインする秋にしてほしいと思います。
 いつでも希望をもち、そしていつでも人に希望を与えられる存在へ。この2学期が、みなさんにとって飛躍の季節となることを、心から願っています。
 以上で、2学期始業式の挨拶を結びとします。

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