No.30 第2学期終業式 式辞2025/12/24
【校長からの発信】
No.30 第2学期終業式 式辞
2025年12月24日 校長 森田 勉
みなさん、おはようございます。本日ここに、2025年度(令和7年度)第2学期終業式を迎えました。いよいよ今年も終わりに近づこうとしています。今年1年を振り返り、自分の知性と感性を整えつつ、心穏やかにしながらも、新たな決意を込めて力強く新年を迎えてほしいと思っています。
今日は、ここにあるように、本校の「『文武非ニ*』のスピリット」を軸に、今学期の歩みを振り返っておきましょう。
長かったようで、あっという間の4か月間でした。岩倉祭や探究活動、修学旅行、クラブ活動、そして1年生のデフリンピック観戦。この2学期は、まさに「岩倉スピリット」が最も輝く学期でした。
日々、授業や部活動で努力を重ね、行事では自ら役割を担い、時に意見を交わしながらも協力して形を創り上げていく。そうしたみなさんの姿には、確かな成長と誇りを感じました。
それぞれが仲間とともに考え、創造し、行動し、その一つひとつが、確かな成長の証です。各自、しっかりと振り返り、自分の財産にしてください。
さて、本日のメインテーマです。この1年を締めくくるにあたり、本校の「正心第一」の校訓に次ぐ第二の校訓と言ってもよい「文武非ニ」についてお話ししたいと思います。
この言葉は、よく言われる「文武両道」とは少し次元が違います。文武両道は、“文”と“武”をそれぞれ別物としてとらえ、それぞれを頑張るという意味です。しかし、文武非ニは、勉強(文)と部活動(武)は別々のものに非ず(非二)、それらは一体であり、融合させて相乗効果をもたらすもの―人間の豊かさが生まれ、自己の成長に通ずるものとして融合的にとらえる見方です。
部活動に励んでいる生徒のみなさんには、こうした精神のことを、きちんと心得ておいてほしいと願っています。その意味で、勉強も手を抜くことは許されません。
すなわち、「文武非ニ」とは、まさにその“融合と超越の精神”を表しています。
この「非ニ」という考え方は、それを発展させて、「非まじめ」という言葉にもつながります。この「非まじめ」という考え方は、今から約40年前に、ロボット工学の権威である森正弘さんという方が、『非まじめのすすめ』という著書で初めて世に出した言葉だと思われます。私も大いに感化されました。
「まじめ」とは、誠実に努力を重ねる姿勢や習慣のことです。しかし、まじめすぎると、心が硬くなってしまうことがあります。一方で、「不まじめ」は、自分の生き方への裏切り行為でもあり、愚の骨頂です。
その二つを超えるもの、つまり、まじめを土台に、柔らかく、前向きに挑む姿勢が、“非まじめ”というスタンスです。
実は、みなさんも、意識することなく、そうした文武非ニや非まじめの姿勢を発揮しています。その例を挙げておきましょう。
たとえば、放送部は総合優勝、写真部は新聞掲載という成果を残しました。努力の上に自由な発想を重ねた、「非ニ」の精神の挑戦でした。
まじめだけでは届かない、けれども不まじめでは生まれない―そのレベルの超越にこそ、創造の輝きがあります。
そして、今月15日にもたらされたビッグニュースがあります。
それは、本校の「千羽鶴」を軸とした探究活動が、文部科学省・経済産業省共同による「キャリア教育推進連携表彰」において、優秀賞を受賞したことです。評価されたのは、単なる成果や実績ではありません。
学校の中と外、学びと社会、正解と未知を分けずに結びつけ、つなぎ、超えてきた姿勢です。それは、本校の校訓「文武非ニ」に通じるスピリットの実践そのものだと思います。決められた枠に収まらず、問いを立て、試し、仲間と考え、社会と関わりながら学ぶ。まじめに取り組みながらも、一歩踏み出す勇気を持つ。その挑戦の積み重ねが、今回、社会から評価されたのです。
みなさん、「文武非ニのスピリット」を発揮するとは、勉強でもクラブでも、人との関わりでも、少しの遊び心とユーモアが、物事を動かし、人をつなぎ、成長を促すことでもあるのです。まじめさに“風通し”をつけること―それが人としての柔らかい強さです。これこそ、まさに岩倉スピリット! そして、コンヴィヴィアルな精神にも共通しています。
さあ、もうすぐ新年がやってきます。3学期は、学年のまとめであり、次のステージへの助走期間です。
3年生は集大成を、最後まで誇りと自覚をもって、岩倉スピリットの完成を目指してください。2年生は新リーダーとしての準備を、1年生は自らの探究を深めてください。それぞれがステップアップを期して、知性と感性を融合させ、現在の自分を超えるべくチャレンジしましょう。
「文武非ニ」のスピリットをもって、他人の評価や常識に縛られず、自分の心で考え、行動してほしいと思います。その姿勢が、自分の未来を自分で切り拓くことにつながります。
新しい年が、みなさん一人ひとりにとって、新たな発想と希望に満ちた1年になることを祈って、終業式の挨拶を終わりとします。
【保護者の皆様へ】
日頃より本校の教育活動にご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。誠にありがとうございます。
お子様たちのこの1年間はいかがだったでしょうか。誰もが達成感や充実感をもって新しい年を迎えられればよいのですが、日々の学校生活ではさまざまなことが起きますので、順風満帆とはいきません。成長期は、楽しいことばかりでなく、苦しいことにも多々出会うことでしょう。しかし、それらすべてが、自分を成長させるための糧となるはずです。しっかりと向き合い、成果と課題を整理して、新年に向けて新たな一歩を歩んでいってほしいと願っています。
明日から冬休みに入ります。年の瀬を迎え、何かとお忙しいとは存じますが、ご家庭でもぜひご家族とともに、今年1年を振り返っていただき、気持ちよい年の暮れを迎えていただければ幸いです。
あわせて、お子様たちが規則正しい生活を送り、清々しい気持ちで新年を迎えることができますよう、ご支援をお願い申し上げます。
時節柄、どうぞお身体ご自愛の上、良い年をお迎えください。
*文武非二
この言葉は、本校の校訓「正心第一」とともに本校北館(道場)入り口にも校訓と並んで掲げられています。もともとは金東先生が書として残された言葉で、現物が校長室内に飾られています。





