最新情報

3月15日(月)卒業証書授与式を行いました。
2021/3/15

 3月15日(月)、卒業証書授与式(岩倉高校第73回、鉄道学校通算第169回)が行われ、総勢401名が学び舎を巣立ちました。優等賞には、普通科3名、運輸科1名の生徒が表彰され、岩倉皆勤3名、皆勤賞には56名、精勤賞には75名が表彰されました。


「校長式辞」 

 401名の卒業生の皆さん、並びに保護者の方々、本日は卒業おめでとうございます。卒業は一つの区切りであると同時に、新たな門出です。岩倉高等学校で学び、楽しかった事、つらかった事などすべてが今卒業してゆく君たちの人間形成に少なからず影響しています。 自分を信じて新鮮な気持ちでスタートしてください。

 よく正解のない問題に答えを出す力が必要と言われます。実は皆さんは意識しているか、いないかにかかわらず、常に正解のない問題に自分なりに答えを出して生きてきたのです。ただし、今までは日常生活の大部分で、学校の先生や、保護者の方に守られてきましたが、高校卒業後は明らかに、自分の責任で、正解のない答えを出さざるを得なくなります。いままでにもまして、正解のない問題に囲まれているという意識を強く持って、日々の問題に自分の力で考えて対処するよう心がけてください。

 人間は人のお陰で生きている、生かされている―その感謝の気持ちを忘れず、かつ自ら勉学に励み、勤勉に働き、自分の人生は、つまるところ、自分の力で切り開くしか無いのです。肉体の強さだけではなく、しなやかな心が大切です。肉体はある年代を過ぎると徐々に衰えていきますが、頭脳は個人の努力次第で死ぬまで成長を続ける事が可能です。何事にも臆することなく挑戦する気概、前向きに立ち向かう気持ちを忘れないでください。

 読書などにより知識を深め、創造的・批判的思考力を身につけてください。最近、メディア・リテラシー、ネット・リテラシー、金融リテラシー、など頻繁に耳にするようになりましたが、このリテラシーという言葉は批判精神、判断力、識別能力、活用能力、コンピテンシーなどを含み、これらの能力を養うためには読書、特に多読は不可欠です。最近活字に触れる機会が減り、若者の読解力低下が危惧されていますが、まさにこのリテラシーを身につけるためには読解力が不可欠です。また、聞く相手の立場を理解しつつコミュニケーションして情報共有・協調することも大変重要です。各自の既に学んだこと、そして言葉には現れない暗黙知を含めた経験に裏付けられた知識などを仲間たちと適切に共有することにより君たち自身の企画・行動力を一段と高め、今後の更なる人格形成に大いに役立つはずです。コミュニケーションは通常言葉により行われますが、言葉の持つ意味はその場の状況、個人の経験により大幅に異なると言うことに留意しておくことも大切です。また、言葉では表現しにくい暗黙知を体験等の共有やメタファーやアナロジーにより共有化し、さらに形式知に変換、また形式知をその場に適した暗黙知に変換、このサイクルにより組織的知識創造を行い、結果的にイノベーションに繋げることも可能です。

 これからの変化の激しい時代には、つねに実力を磨いてどんな変化にも対応できる事が重要です。次世代の責務を担う君たち一人一人がこのような環境にあって、たとえ微力ではあっても、より良い家庭、よりよい地域社会、よりよい日本、よりよい世界に向けてあきらめる事なく勤勉に、そして自らに誇りを持って各自の役割を果たされる事を期待します。

 今後多忙な日々が続くことと思いますが、苦しいことも含めて人生を楽しむという姿勢を忘れないでください。

 

2021年3月15日
 校長 浅井 千英

Return to Top ▲Return to Top ▲